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月からウサギを追い出すな 

17日    早くも「月に生産拠点を

移して儲けよう」という競争が

始まっているそうな。

 

そうしたら、地球はどうなる?  

  1。楽園になる     

  2。地獄になる。   どちらか

 

でしょうな。

 

 近未来の楽園   

月にウサギがいなくなった。

 

年中灰色と赤、黄、紫の入り混じった厚いガスに被われた月。


潮の満ち干に変わりは無いように見えるが、海の生物の産卵に影響が

 

出ている。逆に衛星から地球を視ると、広大な穀物畑、牛と羊の牧場、

 

機械化された農作業の風景。都会の空は晴れて青い。化石エネルギーを

 

既に使い尽くし、大気を汚すこともない。運動不足と肥満から来る病が増加、

 

病院と薬屋とが繁盛している。さすがに核兵器は廃絶されたらしい。

 

(でなければ、とっくに地球は無くなってるはず)

近未来の地獄

月の裏側には核兵器工場があるといううわさだ。野放図な資本の投入

 

によって、月は隅々まで開発され、同時に争いの種がまかれ、膨れ

 

上がって爆発しかかっている。ここで代理戦争が始まれば、やがて地球にも

 

飛び火するだろう。とっくの昔、ウサギは宇宙に逃げ去った。

なーんてことにならないように、一生懸命知恵を出し合いましょう。

 

(個人的には月からウサギを追い出すな、と言いたい)

 

月が中国軍によって占領支配されたら大変だ!!

 

というのはあるアメリカ人(共和党支持者らしい)の

 

街頭インタビューでの答え。だからアメリカ政府は

 

最大限の予算を軍事費にあてるべきという・・

 

 

 

ムーンビレッジ構想というのがあるそうで,これは

 

オーストリアに本部を置く非政府組織「ムーンビレッジ協会」

 

(MVA)によって運営され,各国政府,民間企業,個人を問わず

 

月開発や宇宙開発に取り組む人々のコミュニテイを,月面に

 

作ろうという計画だそうだ.無論日本からもJAXAを始め,

 

宇宙生物学会その他の団体,企業が続々と参加するらしい..

 

以前,民主党政権の発足時に盛んに行われた「事業仕分け」で,

 

JAXAがやり玉に上がっていたことを覚えているが,たしか

 

「あまりに費用がかさみすぎる.何も科学分野で世界一に

 

ならなくてもいいのでは?」という質問が,民主党議員から

 

出されたのをテレビで見た.

 

現在JAXAが果たしている役割と業績にケチをつける者は

 

いないと思うが,一方「カネがかかる」事実は事実である.

 

 

まず各国政府主導で,月滞在用のテント(といっても,

 

宇宙塵の直撃を防ぐ頑丈なシェルターに包まれ,空気や

 

水,エネルギーその他,人間が生きてゆくのに必要な

 

あらゆる設備を備えた)からなる村落をあちこちに作り,

 

それらが集まって一つのコミュニティーを作る.

 

そこで問題.この構想はすでに50年前から始まって

 

いたのだそうで,例えば欧州連合の理想がまだ生きて

 

いた時代だ.只今そこから離脱する国が出てきた.

 

また世界中に強権主義,軍国主義,「おらの国第一」

 

主義が蔓延している.科学者たちが如何にがんばって

 

理想のコミュニティを構想しても,運営してゆくには

 

莫大な「カネ」が必要.また,とんでもない「宇宙防衛軍」

 

構想が支配すれば,コミュニテイ=軍事基地と化す.(無論

 

その裏には軍需産業の暗躍があるだろう)

 

「理想の人間集落」など,キツネにとっては夢のまた夢.

 

ならば,地球とともに滅びる方がなんぼか増し.

 

******************

 

 

 

2020   5  11

 

現在,コロナウイルスが世界を餌食にしようとしており,人間は

 

それと戦っている最中だが,まず,褒められ戦いぶりじゃあない

国同志,「あんたのとこがウイルスを放した.責任を取れ」だの

 

「根拠のないうわさだ.お前のとこが出遅れただけじゃないか.

 

おれの真似をして,はやいとこデジタル監視システムを全国に

 

敷けよ.WHOは中国の影響下にあるから,カネを出さんと?

 

国際的に見て非常識なこと言うな!」なんてケンカをしている.

 

 

科学者さんたちの夢のコロニーは,「仲良し村」だろうが,

 

また別の(多分〇〇〇〇人)学者さんは月開発の未来について

 

こう解説している.「月の開発」はすなわち月の植民地化である.

 

まず少人数のパイオニアを送り込んで,長期間住めるかどうか

 

試す.それから政府の派遣する代表部と役人(それと,口には

 

出さねど軍隊組織の一部も)が乗り込む.長い準備期間を経て,

 

人間が不自由無く暮らせるだけの準備が整ったら,いよいよ

 

「植民」をはじめる.ということは,自国民に限るということ.

 

さらに,月を基地として,火星の植民地化をめざす,という.

 

月でのエネルギー源は原子力発電に使えるヘリウム3で,これが

 

豊富にある.水は氷の状態で存在するので,それを溶かして

 

使う.植物の栽培に必要な装置を地球から運び,野菜を作り,

 

ついでに酸素も発生させられる.3Dプリンターと月の土で

 

コンクリートの家もできる.なーんて,簡単に言うけど,

 

地球上の機械や人間を月に運ぶにも,月の資源を地球に運ぶ

 

にも,いちいち○兆〇〇億円かかるという.

 

1企業が,国家の後ろ盾無しに植民事業を成功させられるとは,


その儲けで自立し,地球人のコロニーとして繁栄する?

 

それは野心的な企業人の夢で,次なるアニメの主題だろう.

 

 

そして,人間はイガミアウ動物だ.核爆弾を捨てることさえ

 

出来ない,戦争好きの動物だ.植民地で何をやるのやら.

 

だから,月には手を出すな!月のウサギを追い出すな!

 

 

2020   5  20  宇宙作戦隊!!

 

自衛隊が宇宙作戦隊を編成するそうだ.のんきに喜んでいられ

 

ようか?ついこの間の中東への派兵にしても,「戦闘行為はしない.

 

多国籍軍の船を護衛するだけだ」というが,現地の実際はかなりの

 

弾の飛び交う実戦場で,手ぶらで「情報収集」どころではなかった

 

そうな.(そのために法改正をやったんだね)

 

作戦隊の当面の任務は「宇宙ゴミや他の人工衛星の状況監視」だって.

 

だが,首相閣下は「将来の宇宙防衛軍構想」を早くも口にして,

 

隊員を鼓舞したいらしい.

 

 

毎日新聞電子版 2020 5 18

 

193月時点の軍事用衛星は,米国125基,中国103.

,

ロシア96,インド12,日本11を上回っており,日本は地上の

 

画像データや弾道ミサイルの発射情報などで米国の衛星に

 

依存している.

 

一方米国は,1912月に宇宙軍を創設した.自衛隊幹部は

 

『日本も専用部隊を創設し,宇宙領域に取り組む姿勢を示さ

 

なければ,米軍とも情報共有できない』と漏らす」

 

実際の派遣までにはまだ3年以上かかるようだが,いったい

 

「宇宙領域に取り組む姿勢」とは,その中身は何か?

 

どうせ「同盟国がやるというから,うちもやらねば」だろうな.

 

宇宙空間のデータなら,世界の科学者が互いに共有したらそれで

 

よかろうに,そうは行かないらしい.それは,軍国主義国家が

 

カネを出して収集にやっきになっている「軍事データ」だから,

 

 

「戦闘機乗り」「敵機を撃墜」「勝利に貢献」「英雄の死」

 

「戦友との絆」「護国の霊」など,ゼロ戦的高揚感は,日本人に

 

とっていまだに抜け難く,あるSNSでの発言に「僕らは戦争を

 

憎むことばかりを教えられてきた.今度は戦争のやり方を教えて

 

くれ」というのがあった.自衛隊の実践指導書の類はまさか市販

 

されていないだろうが,「宇宙軍」の青少年向けアニメ図鑑は,

 

売れるんじゃないかとキツネは思う.どうなることやら・・

 

憲法は政権の解釈次第.既に死んだも同然だ.月を戦争のための

 

基地にするな!「不戦」の精神と「助け合う地球人」のための

 

基地にせよ!月にウサギが住み続けられるように.

 

 

 

 

 

2020  5  21   アホか!!

 

遠い昔の地球に,どこか銀河系外のプラックホールから,

 

破壊力抜群のガンマ線バーストというのがやってきて,

 

オゾン層を破壊し,太陽の紫外線に曝された地球上の

 

生き物が壊滅した.オゾン層の回復には長い年月がかかり,

 

その間の地層には生物の痕跡が見当たらないという.

 

また,何時ガンマ線バーストが地球を直撃するか,誰にも

 

予測出来ないが,過去に在ったことはまた起こるかもしれない.

 

以上はテレビからのキツネのつまみ食いだが,もしそれが

 

やってきたら,「宇宙軍」や「宇宙兵器」が何の役に立とうか.

 

そこらに転がっている幼児のおもちゃに過ぎない.

 

そんなことを「未来の希望」と言い,「我が国の勝利と繁栄」

 

に資すると言い,「宇宙からの脅威に備える」ために必要

 

と言う.人類の福祉は犠牲にしても,宇宙軍にカネを惜しむな

 

という.

 

 

アホか!!

 

 

 

 

2019  2  21

 

ニューズウイーク 日本版 シャンタル・ダシルバ記者

 

<宇宙を新たな戦闘領域とする米宇宙軍の脅威>より

 

ーー宇宙で軍拡競争を広げるよりも,市民生活のインフラと

 

なっている民生用人工衛星を協力して護るべきだ,と科学者

 

たちが警告ーー

 

「今でも米軍の任務には,宇宙空間における脅威への対処が

 

含まれているが,トランプ大統領は『宇宙における脅威を

 

抑止し,反撃する任務に専従する軍』を創設する必要がある

 

として,2020219日に大統領令に署名.

 

科学者たちに言わせると,トランプの構想は既に宇宙兵器の

 

開発を進めている中国やロシアがますます新兵器の導入を

 

急ぎ,歯止めなき軍拡レースになるのが目に見えているからだ」

 

「憂慮する科学者同盟」の宇宙防衛問題専門家ローラ・グレゴ

 

は,同盟のサイトで発表された声明で警告している.

 

「トランプ大統領は宇宙を新たな戦闘領域と位置づけた.

 

軍にとって宇宙が重要であることは否めないが,軍事活動は

 

多様な活動のほんの一部でしかない.現在2000個近い

 

人工衛星が運用されているが,その80%は民生用で,通信

 

その他の人々の生活に不可欠なサービスを提供している.

 

人工衛星が破壊されれば市民生活に壊滅的な損害を与える

 

ため,宇宙空間を護ることが,私たちの責務だ」とグレゴ

 

は訴えている.

 

宇宙の持続可能性の維持のための指針として,EUが提案

 

した「宇宙活動の国際行動規範」や,宇宙空間の軍拡競争阻止

 

を目指す国連の専門家グループ(GGE)の規範など,現在

 

さまざまなルール作りが進んでいると,グレゴは指摘し,

 

アメリカはこうした試みの先頭に立ち,宇宙空間の軍事化

 

ではなく,平和利用を推進すべきだと論じている.

 

「人工衛星を守るにははるかに優れた方法がある.運用中の

 

衛星の40%はアメリカが打ち上げたものだ.今後も長期に

 

わたって安全に運用できるよう,アメリカが率先して平和利用

 

の枠組みづくりに取り組むべきだ」

 

一方で,アメリカは宇宙開発で出遅れているとして,トランプ

 

の構想を支持する声もある.中国とロシアは,宇宙空間で

 

軍事的優位に立とうと,アメリカの衛星を攻撃できるレーザー

 

兵器などの開発を進めており,うかうかしていれば劣勢に

 

追い込まれるというのだ.

 

だが,宇宙軍の創設には議会の承認が必要だ.トランプは当初,

 

米軍の他の部門と「別個の,対等な」宇宙軍の創設を構想して

 

いたが,共和党議員や国防総省が,既に宇宙活動を担当している

 

空軍の下に設置すべきだと助言し,トランプもそれを呑んだ.

 

宇宙軍創設に必要な予算については,トランプ政権はまだ明らかに

 

していないが,トランプが3月議会に示す2020年度予算教書には

 

盛り込まれるはずだ.

 

 

 

2,020  2  14  SankeiBiz

 

<米予算教書発表.中国にらみ国防費を確保.

 

(議会による)本格検討は大統領選後>

 

トランプ政権は10日,2021年度(202010月〜

 

20219)の予算教書を発表した.

 

米メディアによると,核兵器の近代化に充てる費用を

 

18%増額し,核弾頭や運搬手段の開発を進める中国

 

やロシアに対抗.国防費は03%増の7405億ドルを

 

要求する.トランプ米大統領は10日,「とても強力な

 

軍事予算だ,そうするほか選択肢はない」と語り,

 

軍事的優位を維持する姿勢を強調した.

 

 

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「軍国主義の歴史Ⅰ」封建騎士団から大衆軍隊へ

 

アルフレート・ファークツ著

 

望田幸男訳: 福村出版社 1973年刊

 

 

訳者まえがきによれば、ーー原著者のミリタリズム論

 

の特徴は、一言にしていえば、戦争と軍隊についての

 

軍事的方法一般と軍国主義的方法との区別を基本的で

 

決定的なものとしている点にある。

 

前者は、戦争に勝利するための合理的ないし科学的

 

配慮をともなった直接的な技術であり、後者は、階級

 

と儀式、権威と信仰という特質を帯びつつ、本来の

 

軍事目的を超えて政治、経済、社会、文化の全領域

 

における軍事的思考の強調となってあらわれる。

 

さらに軍国主義的方法は、前者=軍事的方法の諸目的

 

を妨げ、その科学的性格を拒絶するに到るのである。(中略)

 

しかも、このことが、封建騎士団の時代から説き起こしつつ、

 

職業的常備軍の時代、徴兵制にもとづく大衆軍隊の時代

 

へと近代ミリタリズムの発展の様相を追いつつ、現代の

 

全体主義的ミリタリズムにまで説きおよんでいる。また

 

ミリタリズムを、たんに軍部主導のそればかりでなく、

 

文民主導のそれにも視野を広げて論述していることは、

 

今日のわれわれにも示唆するところ深いものがある」。

 

 

p66 「アメリカ革命における将校」より抜粋

 

<<独立戦争期においては、兵士よりも将校のほうが、

 

はるかに容易に供給しえた。当時アメリカの政治家

 

たちは、(彼らの兵士を統率すべき将校を選ぶ際に)

 

最大多数の兵士を決起させる方法を心得ているもの

 

こそ、最もふさわしいと考えていた。すなわちその

 

人物の説得力こそが、兵士たちを団結させ結集させる

 

だろうと考えたのである。そこで彼らは、これまでの

 

軍事上の経験、評価をほとんどしんしゃくせずに、

 

(ごく一部には非常に優れた者もあったが=ワシントン

 

のように)多くのあまり資質の良くない将校を創出した。

 

その際に政治家たちは、彼らの中の最も富裕な人物を、

 

その地位に選ぶこともありえた。

 

ともかく、こうして将校は、兵士たちに見込みのある報酬が

 

実際に得られることを誓約し、少なくとも兵士にそのように

 

確信させねばならなかった。

 

こうして重商主義時代には、もっとも富裕な土地所有者が軍隊

 

を指揮していた。たとえばスペイン無敵艦隊の司令官

 

メディナ・シドニャやマールバラ公などはいうまでもなく、

 

ヴァレンシュタイン、スピーズ、ワシントンがそれである。

 

このグループのなかでフランス人スピーズは戦書よりも料理本の

 

なかに、ふさわしくもその名をとどめたが、その他の二人(いずれも

 

地主)は、すさまじい活躍を見せ、軍隊の編成や彼らの雇い主との

 

政治的関係、さらには戦場における指揮などについて指導性を発揮

 

した。いずれの場合も、政府当局は弱体であったので、

 

ヴァレンシュタインは行き過ぎた野心にかりたてられた。

 

しかしワシントンは、二度も全権を掌握する立場にあり

 

ながらも、そのような誘惑にはけっしてひかれなかった。

 

それにしてもワシントンは、大陸会議と将校たち(彼は

 

その要求を正当なものと認めていた)との間の中間的地位

 

にあって、その権勢の点ではオリヴァー・クロムウェル

 

をはるかに凌ぐものがあった。クロムウェルも100年前

 

に将校とイギリス議会との間の仲介者として同じような

 

役割をはたしたが、最後には彼が率いる将校たちに依存

 

する一個のミリタリストとなってしまった。

 

ワシントンは、(将校を選抜、選出するにあたって)

 

そのために将軍として、軍隊と国家とにおける最高位

 

者として、彼自身の権威を確保した。そして彼は将校

 

たちに服従と名誉の精神を徐々に教えこまねばならな

 

かったーーこの点でN・グリーン将軍(ロードアイラ

 

ンドの鍛冶屋出身)は、そうした精神はアメリカ人民

 

の中で不自然なものであると主張した。「一般人は、

 

はなはだしく貪欲であり、人民の資質は、長い間に

 

わたって通商取引をしてきたことから商業的である。

 

名誉感情=軍人の特質は、利害を重んじる精神をまだ

 

凌駕していない」と。

 

このアメリカ人の商業的習性は、補給任務を彼らの好みの

 

対象とした。だが補給体制は、けっして十分なもの

 

ではなかった。ワシントンは、偽兵という古くからの

 

ヨーロッパ的習慣をやめさせなければならなかった。

 

(将校たちが、兵籍に入れていない兵士への支払いを

 

受け取ったり、彼らを自分の農場で働かすために宿営地

 

から派遣したりしていたからである)

 

ワシントンは、経済的基礎を講じるべく、将校に「十分な

 

手当」を保証するように、繰り返し大陸会議に要請した。

 

「十分な報酬こそが、ジェントルマンや立派な人物を確保

 

させるであろう。そして大将校団が、名誉の諸原則や進歩

 

の気性によって行動するような人物によって構成される

 

までは、彼らに多くを期待することはできない。

 

彼らがジェントルマンらしく生き、ジェントルマンの

 

特質を保持出来るような給与を与えるべきである」

 

「このような給与が、立派で自由な志操のジェントルマン

 

を確保できるように保証されるならば、・・我々はどんな

 

軍隊と対比してもそれによく対抗しうるような、さらに

 

軍隊を構成する上でのすばらしい人材を持った、そのような

 

軍隊を遠からず持つことができるであろう」。

 

(元プロシャ将校のシュトイベンは、マスケット銃の操作や、

 

それを教える技術をアメリカ軍将校に伝授し)更にシュトイベン

 

はアメリカ軍隊のための規則を盛り込んだ最初の規範の中で、

 

隊長たるものは、あらゆる可能な親切と人間味を持って兵士を

 

あつかうことにより、兵士たちの愛情を獲得することをもって、

 

「その第一の目的とする」としたのである>>

 

191 「シンシナティ叙勲協会」の誕生に関する記述から抜粋。

 

<<このような一般兵士への思いやりある扱いは、遂には

 

名誉の大衆化ーー革命的理念ーーへの端緒へと行き着く。

 

アメリカの兵士には戦争中に得られた、軍人すべてに共通

 

する名誉と殊遇が与えられ、それはいわゆる「年功袖章」

 

ーー勇気、忠節、適切な行動に貫かれた三年服務を意味する

 

表章ーーの導入となった。ところが大陸会議が、とくに

 

将校たちを叙勲することをしなかったので、将校たちは、

 

軍隊の解散直前に、彼ら自身と戦争の記念を叙勲すべく

 

「シンシナティ叙勲協会」を通じて結束することになった。

 

これは、アメリカにおける軍事的性格をもった最初の

 

名誉を守る社会団体であった。と同時に在郷軍人の最初の

 

組織であり、古くからの名誉(個人ならびに国家の)と、

 

相互扶助的要素を結合させたものであった。またそれは、

 

古くからある秘密団体に対する18紀的偏愛と、それ

 

より古くからある、子孫へ名誉を伝達する傾向を結合

 

させた。(この協会は、故人の男子最年長者に会員資格を

 

継承させることができる)

 

アメリカの愛国者団体は、この団体の中にある世襲原理に

 

たいして反対の声をあげた。彼らは、常備軍を助長した

 

貴族制を、また貴族制を助長した常備軍を恐れていたから

 

である。このように1787年の憲法の創始者たちは、

 

アメリカにおける貴族階級の台頭にはっきりと備えをして

 

いたのである。ジェファーソンのようにワシントンは、

 

「平和の時代(もしくは)海軍の時代における常備軍を

 

拒否した。そして、その常備軍は、「それがわれわれを

 

巻き込む犠牲や対外戦争によって、公的負担のために、

 

われわれを打ちひしぎ、われわれを耐ええなくさせる

 

だろう」と考えていた。大農園経営者によって血統と

 

いう家柄が特権の資格であると主張される時代は、

 

もはやアメリカには到来しなかった。(中略)

 

彼らアメリカ人は、民兵が現実に勝利したこと、常備

 

軍は必要でなくなるだろうこと、また常備軍はわれわれの

 

新しい自由にとって危険となるであろうこと、これらのことを

 

確信したのである。>>

 

P195  「アメリカにおける軍制の確立」より抜粋

 

<<1783年に勝利が獲得されたのちには、革命戦争の経験と、

 

社会における軍人の地位に関する見解とに立脚していちじるしい

 

特徴を帯びた決着がつけられたが、しかし戦争の終幕と

 

その決着までの間、きびしい争いがおこなわれた。戦闘に参加した

 

農民や民兵の中の指導者たちからなる党派もしくは徒党と、

 

これに対して将校たちを含む党派もしくは徒党との対立であった。

 

軍隊の将校たちのなかには、この紛争終焉前から共和政体への

 

不信をはっきりと表明し、君主体制もしくはある種の権威主義的

 

体制をのぞむ少数の者がいた。これらの将校たちのあるものは、

 

ワシントンに手紙を送り、そのなかで共和制への軽蔑の念を示し、

 

少なくともまだ決着がついていない広大な領域に軍事国家の建設を

 

提言した。これにたいしてワシントンは、鋭い非難の回答を示し

 

たが、ここに一部の将校たちが、連合規約のもとの政府を、

 

軍事的手段によって打倒しようという考えを抱いていることが

 

明白となった。革命派指導者の妻M・ウォーレン夫人は、

 

1787年に次のように言っている。「青年層の多くの者、とくに

 

法科の学生たちや富裕で放縦な青年たちは、君主制とそれを

 

支える常備軍を希求して絶叫している。・・・

 

これらには、シンシナティ協会の全メンバーが参加している。

 

彼らは、貴族制を熱望し、胸に鷲印をぶらさげている。

 

これはこの国にはまだ目新しい動向である。ーー

 

これらの団体は、もし彼らが農民や職人の苦しい生活をよそに、

 

申し分ない安逸にふけるような小貴族の集団となるならば、

 

国王の笏に敬意を表する用意のある恐るべき団体と化する。ーー

 

そしてこれらの団体は、自由の精神、ーーそれは、勇気をふるい

 

おこさせ、人間精神の最高の発展へと導くーーをまだ

 

忘れずにいる少数者の不満の声を圧迫する常備軍の必要性を

 

擁護している」(中略)

 

以上に述べたような2つの党派のなかに、ワシントンは立っていた。

 

かれはシェイズの反乱(シェイズは独立戦争に参加。戦後の

 

西部農民が負債に苦しみ、東部商工業者に対して不満を持っていた

 

のを指導して反乱を起こすが、鎮圧される。保守は、この反乱を

 

機に連邦憲法制定を推進した)によって驚かされ、その一般人民の

 

動乱を恐怖を持って見詰めた。だが、それにもかかわらず彼は、

 

軍事独裁樹立という考えの全てを拒否する点では、断固たる態度を

 

とった。他の保守主義者も、彼と見解をともにし、武力行使という

 

暴力的方法ではなく、むしろ会議と承認という平和的手続きによって、

 

新しい憲法を制定する道を選んだ。この憲法における陸海軍に関する

 

中心的特徴は、軍事分野にたいする政府のシビリアン・コントロールの

 

確立であった。その規定によれば、募兵と軍事予算は議会にのみ

 

まかされ、民兵の指揮、軍事目的への財政支出(ただし2年をこえない),

 

宣戦などの権限は政府にゆだねられた。そして合衆国大統領は

 

シビリアンであり、陸海軍の最高司令官、最高戦帥である。

 

この憲法に対して、ただちに2つの修正が、ジェファーソンの

 

農民デモクラシーの精神で加えられた。

 

なわち自由な国家の安全のために、規律ある民兵は必要で

 

あるがゆえに、人民が武器を保蔵しまた武装する権利は、

 

これを犯してはならない平時においては、いかなる兵士も、

 

所有者の同意なしには、なにびとの住居にも宿営させてはならない。

 

戦時においても法律の規定によるのでなければ、宿営させては

 

ならない。(中略)

 

いいかえればアメリカの方式は、当初あくまで軍事組織であって、

 

軍国主義的組織ではなかった.

 

つまり軍隊は、文民権力の機関と考えられ、そのような目的のために

 

組織され、訓練されていたのであって、軍隊それ自体を目的と

 

するものではなかったのである。

 

なるほど軍事的英雄は、アメリカ人の心を魅了するものであったし、

 

またしばしば、合衆国大統領の地位にまで昇る者もあった。

 

だがあやしく魅力的ではあるが、冷酷な奉仕を要求するミリタリズムが、

 

アメリカ人の想念を捉えるのは、20世紀初頭以後のことである。

 

たしかに18世紀末葉、アメリカの軍制は、ヨーロッパの思想家たち、

 

とくに啓蒙思想家たちの注意をひきつけた。その頃彼らは、

 

フランス君主制の打倒への道を、更に常備軍ーー絶対主義のもとで

 

長い間育成されてきた制度ーーを、大衆軍隊をもって代替することを

 

準備しつつあったのである。>>

 

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キツネの読書感想文−1

以上で紹介したのは、もちろん、アメリカ18世紀の

話。マスケット銃(先込め、フリントロック式、

連発は不可能、命中率悪し)という時代。将校以外は全部

農民、市民兵で、英国からの独立を大義として戦い、

勝利の後にアメリカ合衆国と合衆国憲法が出来た。

オリジナルの憲法はそのままで改訂せず、時代の変化

に合わせて新たな条項を付け加えてゆく方式らしい。

で、市民の「銃携帯の自由」がうまいこと銃器業者に

利用されて、スーパマーケットに銃がズラリと並んで

いるという。

よその国の話というなかれ。

一般市民が「月を穫られる!」と心配している。

ということは、そのような「危機意識」を市民の頭に

植えつけた者がいるということだ。アメリカが軍国

主義国家だなどど誰も大声では言わないが、部隊、

基地、兵器を提供し、あるいは対価を取り、事実上の

植民地化する、これが「安全保障」の正体だとキツネ

はあえて申し上げる。そしてもうひとつ、「非常事態

宣言」をやたらに出して、市民の不安をあおる。

市民は恐怖に耐え切れず、それを一刀両断してくれる

「強権」「皇帝」「神」に憧れるようになる。そして

軍国主義国家が誕生する。

 

1776年 アメリカ建国

1789年 フランス革命

この時期に国内外の強権に反抗して生まれた市民軍は

その後どうなったのだろうか。

 

P200  「大衆軍隊ーーフランス革命とナポレオン」

から抜粋

 

<<ジョージ・ワシントンが、軍人に対する文民優位を確立した憲法

 

のもとで大統領に就任したとき、すでにフランス絶対主義の戸口に嵐が

 

吹きすさんでいた。そこでは常備軍は、将校の地位の大部分を占めていた

 

貴族の内部における軋轢によって、また彼らと国王との争闘によって、

 

内部からその根底を揺さぶられていた。更に革命が到来したとき、

 

軍隊における権威は国王から離れ弱体化していた。

 

(ルイ16世の軍隊は、はやくも解体しはじめていた。将校の地位を

 

独占していた貴族は、少数派である大貴族と多数派である地方貴族に

 

分裂し、前者は現状維持にまわり、絶対君主制を保持しようとしたが、

 

後者はすべての将校の地位を、すべての貴族に等しく開放し、

 

他の階級には門戸を閉ざす、などの改革を要求した。

 

貴族身分の将校のうち3分の1が、時代思潮に関心を示していた)

 

さて貴族階級のすべての特権は、革命派によって破棄され、

 

将校賣官制度に終止符がうたれたのち、すべての軍事上の階級と

 

地位とがブルジョアジーに開放された。(中略)

 

(王の軍隊には)ナショナリズムという観念は存在していなかった。

 

「祖国とは、亡命貴族たちにとっては、彼らが生まれた国を意味する

 

ものではなく、彼らが生まれ育った昔ながらのもろもろの制度や伝統の

 

総体であった」フランス正規軍は、貴族たちを、敵ではあっても

 

名誉あり忠誠心あるものとして遇するのがふつうであったが、

 

義勇軍兵たちは、貴族たちを反逆者として虐殺したのである。

 

革命派は、軍隊の統一的利害と衝突しなかったために彼ら革命派の

 

勝利は容易であった。6年間のうちに彼らは君主制を転覆し、

 

國王を斬首し、貴族から経済的及びその他の特権を奪い、教会から

 

財産をはぎとり、さらに文民優位性を擁護する憲法の制定を企てた

 

のである。しかし、共和国が、中欧諸国の絶対主義やイギリスの陸海軍

 

との戦争にまきこまれるや、共和国は自らの国防力の創設に着手

 

しなければならなかった。こうして大衆軍隊が、共和国の擁護者として、

 

またヨーロッパ全域にわたる革命の伝播者として創設された。(中略)

 

もちろん将校の地位への門戸を開き、衛兵軍を組織化することは、

 

比較的単純なことではあるが、もっと複雑なことは、下層民衆に

 

たいして兵士を立ち上がらせるという問題である。当初

 

ブルジョアジーは、この問題をどう解決するかについてははっきり

 

していなかった。彼らは、人民のなかに徴兵制にたいする憎しみが

 

広がっていることを十分に知っていた。また彼らは大衆軍隊を

 

望んではいなかったし、できるかぎり義勇兵と旧正規軍の残存部分とに

 

依拠しようとした。しかし危機が深化し、外国軍の侵入の危機が、

 

不気味に迫りくると、1793年2月に、30万の募兵を地方自治体

 

の分担によって確保すべし、という布告が発せられた。そして

 

国民公会は、政治家、選出された将校、妻帯者などを除いたその他の

 

ものからの選抜方法を地方当局にゆだねた。そのために貴族勢力が

 

強力であったところでは共和主義者が、共和主義者が多数派で

 

あったところでは、貴族主義者もしくは頑固な聖職者が軍務につかされた。

 

だが多くは貧困者が選抜ーー実際は強制徴集ーーされ、富裕者は、

 

家庭に止まりうる特権と引換に、「500リーブルで勇者に匹敵する」

 

代償金を支払うことが義務付けられた。

 

革命派は、一方で義勇兵を歓迎しつつ、以下に述べるような方法で

 

兵士たちを扇動しつづけた。すなわち翌年には、正規軍と義勇軍との

 

区別は廃止され、両者は混合化された。そして戦争の進展にともなって、

 

2つの布告ーー「革命は危機にあり」と「祖国は危機にあり」ーーが、

 

法律的強制と結合しつつ、大衆のなかから増大の一途をたどる兵士たちを

 

三色旗のもとに結集させていった。

 

(国内に止まった旧将校たちが、國王の周囲に、王家を表す白の徽章を

 

つけて集結し、新しい国民的シンボルの三色旗をじゅうりんした。

 

これを知った大衆ははげしい怒りをかきたてられた。兵士たちが身に

 

つけていたこの新しい三色徽章は、これまで貴族によってだけ享受されて

 

いた感激を他の階層にも思う存分味合わせたのである。要するに

 

全国民が、貴族になったような状態となり、その三色旗という枠組みの

 

外に、自らの敵を意識するようになったのである。このような

 

ナショナルなシンボルの導入は、シンボルによる大衆操作ーー

 

とくに軍隊の場合にーーの新しい時代を切り開いた。その後、

 

他の国の軍隊においても、こうしたシンボルが採用されていった)

 

p225 「ナポレオンによる大衆軍隊の軍国主義化」

より抜粋

 

<<フランスに新しい秩序を創出せんとした文民の革命家たちは、

 

国内外において革命を守り抜くべく生み出された大衆軍隊が、

 

その目的めざして、パリにある弁護士たちや思想家たちのために、

 

おとなしく奉仕するであろう、と思っていたかもしれない。

 

が彼らはまもなく幻滅を感じなければならなかった。

 

総裁政府が、左からのもうひとつの革命と、右からの反革命から

 

革命を守らせるべく、ボナパルトを登用したとき、うかつにも

 

自らの葬送の鐘を鳴らしたのである。結局のところ、新大衆軍隊は、

 

旧常備軍組織を完全に破壊してはいなかったし、また質的転換を

 

なさしめてもいなかった。またそれは、常備軍のなかから輩出して

 

きた将兵の技術的知識に頼らざるをえず、そこから、戦争革命の

 

エリートが登場してきたのである。(キツネ注:ボナパルトは

 

砲兵隊の将校だったが、これは当時最先端の技術部隊であり、

 

その隊長とあれば、人気も上々であった)

 

彼らのうち大部分は貴族身分の者であり、1978年のエジプト遠征に

 

おける彼らの活躍は、「革命がおおいかくしてしまった一連の

 

軍事的価値を再生させ、将軍たちのなかに自然に発生する野望や

 

競争心が再燃してきた。同時に、階級差別がふたたび主張される

 

ようになった。

 

ボナパルトは、なによりもヴァンデミエール暴動のときの単なる

 

砲兵指揮官ではなかった。彼は、革命の渦中から、その後に

 

かけての衝突する階級間の利害状況をわきまえた、諸事件の

 

立会人であった。すなわち彼は、財政や経済を含めて問題となって

 

いる社会的利害関係に精通しており、彼の周囲の将校たちを厳しく

 

注視しており、さらに兵士や、「栄光」を歓喜にふるえて受け入れる

 

国民の心理を看破していたのである。そして彼は、勝利の一定の

 

保証をえて行動しうる「とき」がくるまで、文民たちの間に発生

 

した紛争の迷路を縫って、注意ぶかく前進した。

 

そして彼がエジプトから帰ったときーーそこでは実際は敗北であった

 

のを、帰国後に勝利と報告したーーボナパルトにたいするフランス国民

 

の信頼は低下していなかった。>>

 

キツネの読書感想文−2

 

ナポレオンの評伝は山のようにあるが、キツネは読んで

 

いない。ただ、三色旗というものが、フランス人の心情を

 

いまだに捉え、ゆるいながらも一つにまとめているんじゃ

 

ないだろうか。一部の右翼を別にすれば、彼らはやはり

 

民主主義の旗じるしを守っていくとキツネは思う。

 

それは、帝制の復活、欧州各国との紛争を経て、長い

 

闘争の経験があるからであり、単に上からのお仕着せ

 

民主主義ではないからだ。

 

フランス軍の快速の進撃には、何よりもナポレオン自身の

 

野望とその性格から、少しでも早く敵の本拠地へ乗り込んで

 

勝利と引き換えに金品を獲得し、兵を養い、貴重品はパリに

 

送って、国庫を潤さなければならない、その快速移動のため

 

には、輜重部隊をなくし(野営のテントもなし、食料も積まず、

 

要するに現地調達=強奪する)武器弾薬も補給しない。

 

兵隊はいずれ疲弊して戦わずに数を減らしてしまうだろう。

 

これがナポレオンの最終的な敗北の原因だったと言われている

 

 

P252 「大衆軍隊とナポレオン開放戦争」より抜粋

 

フランスの敵たちが、これまでそれをもって精緻な戦略ゲームを行う

 

ことに慣らされてきた、小規模な厳しく訓練された、しかし生気の

 

欠けた軍隊では、規模やテンポの点で、あるいは「人間の権利」という

 

プロパガンダを敢行しつつ、戦火を拡大してくる十字軍の掃射にたいする

 

戦術の点でも、もはや到底対抗することはできなかった。(中略)

 

フランスに対抗していた諸政府の課題は、革命的なナポレオン軍の

 

大衆軍隊に、たとえ性質は異なっていても、効力においては同一の

 

熱情によって鼓吹された大衆軍隊を、しかもそれを革命を伴わずに、

 

いかに形成するかであった。・・彼らはあまりにも多くの自由を

 

容認することなく、新しい軍事力をうち建てるという問題を熟慮

 

した。そして、種々の方法で、さまざまな潜在力の動員を試みた。

 

その潜在力とは、イギリスでは金力と保守的な頑強さであった。

 

ロシアでは、粗野な宗教的忠誠心であり、そこには

 

シャルンホルストの言葉をかりれば、「たやすく満足し、従順で

 

勇敢で、いわば戦争のために生まれてきたような」人民がいた。

 

そしてプロシャでは、ブルジョアジーの沸き起こるナショナリズムが

 

あった。彼らブルジョアジーは、ナポレオンによって自由を獲得しよう

 

という、コスモポリタン的な願望があったが、それもナポレオンの

 

賠償政策とその他の抑圧行為とによって失望させられていた。

 

(これらの国々のなかで、情勢を最もよく理解していた)プロシヤでは、

 

フランス革命への嫌悪感は大きかったが、軍人たちは、フランスに

 

おける戦争エネルギーの驚くべき開放を賛嘆し、彼ら自身の

 

体制のもっとも根本的な再編成に意欲を燃やした

 

1807年にグナイゼナウは、次のように言った「新しい時代は、

 

由緒ある家名、称号、許可状などより以上のものを必要とし、

 

新しい行動力を必要としている。革命は、フランス人民の全民族的

 

力量を動員した。そして異なる諸身分を平等化することによって、

 

また財産への均等な課税によって、人間の活力と死蔵された財産を

 

高利の資本へと変換せしめ、さらにこれら両者に基礎を置く均衡

 

状態を廃絶した。もし他の国々が、この均衡を再建しようと思う

 

ならば、彼らは同一のエネルギー源を開発し活用すべきである」。

 

p254 「プロシャ改革者たちと大衆的諸力の覚醒」

より抜粋

「われわれに国民軍を与えてくれ」、ブリュッヘルは1807~13年に

 

軍制改革を担った人々に、このように嘆願した。そのためには、

 

半奴隷状態にあり、過度の訓練を受けた職業的な小規模軍隊ーー

 

それはフリードリヒ大王流の厳しい戦術規則に従って訓練され、

 

編成されていたーーは、廃止されねばならず、誰ひとり兵役を

 

免除されるべきではなく、病弱のものを除いては兵役につかない

 

ことは恥とされなければならない。(中略)

 

フランス兵士の場合は、無益な形式主義のすべてを忘却して

 

しまってもなんら差し支えは起こらなかった。さらに軍隊は

 

師団編成されねばならない。そして師団はあらゆる兵種の軍隊

 

から編成され、相互の間で秋季大演習が行われねばならない」。

 

改革者たちが直面した問題は、貧しく疲弊したプロシャが、

 

早く、有効に、あまり費用をかけずに、このような新しい軍隊を

 

いかにして創出するかであった。(キツネ注:これまでプロシャ

 

のユンカー支配が、国家や国民を疎外してきたので、愛国主義の

 

訴えにたいし国民はほとんど反応しなかった)しかし、これらの

 

改革者は、勃興しつつあった階級の主役ではなく、彼らの第一の

 

関心は「軍事的勝利」にあり、社会改革はそのための手段に

 

すぎなかった。

 

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キツネの読書感想文ー3

 

ナポレオンやプロシャの軍制改革=中世からの貴族

 

常備軍から大衆を動員する国民軍へ=が既成のものと

 

なり、20世紀の日本に導入されたが、同時に

 

神政=現人神天皇による統治=が持ち込まれ、折から国民を

 

有頂天にさせるような「対外戦勝利」の好機(為政者にとって)

 

を捉えて、「今こそ海外へ撃って(文字通り、軍事力を先に

 

立てて)出るべし」の風潮が広まった。文民統制は形だけで、

 

政権の中身は古来からの「天皇の権威を傘に着て、それを

 

土台に成り立っている」のだから、民主主義など毛ほども無い。

 

おまけに「勝つための実利的な知恵も経験もない」人物が

 

権力を握っていた。


日本は当時ビンボウ国だった。大商人や資本家は海外の

 

資源や市場を手に入れたかった。軍部は手柄をたてて

 

軍予算を増やしたい。そこで両者は手を握った。

 

で、ナポレオン式の、遅れた兵器、金欠だから補給ゼロ、

 

威張る将校、戦術も無くてシャニムニ目標地点へ強行軍、

 

頼るは兵隊(わずか1ヶ月の射撃、突撃訓練だけで前線

 

に出された元農民、勤め人、店員、学生その他)の

 

がんばりと犠牲だけ・・・と、これで勝てると思った?

 

思ったんだな、これが。「日本には神のご加護がある。

 

負けるはずがない」というんだから、あきれる。

 

戦後、素晴らしく民主的な(駐留軍もおどろいて取り消そう

 

としたが、失敗した)憲法のおかげで旧軍事組織と巨大財閥は

 

解体され、大物軍人は処刑され、小物将校は(1000名ほど)

 

自殺したが、資本家たちは無罪放免で、戦後の経済復興に

 

活躍した。「昭和の戦争は軍部の暴走」という神話が出来、

 

学校でもそう教えられた。いまだにそう信じている人もいる。

 

現在、国を動かしているのはやはり経済人であって、政治家

 

でも軍人でもない。彼らはこう言っている「現況は、自主独立

 

の経済立国なんて無理。経済強国に取り入って、日本が儲かる

 

道をさぐるべし」と。今度は軍部の手は借りない?

 

とんでもない。経済強国=軍事強国=戦争やりたい国だから。

 

で、「同盟国がやりたい戦争なら、日本としても参加せざるを

 

得ない」などと防衛大臣がしたり顔で言う。すでに憲法が死んだ

 

かのようだ。

 

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2020  7  5

<米国の産業複合体>  ウイキペディアによる

 

●米国内の協力体制

 

1.地元労働者の支持

 

  ロッキード社,ボーイング社,レイセオン・テクノロジーズ社

 

  といった     巨大兵器メーカーはアメリカ国内に多数の工場を持ち,

 

  また, 陸海空軍および海兵隊の四軍の基地はそれぞれの基地所在

 

  地域にとって  他に代わりのない有力な  就職先となるなど,地元の

 

  雇用とアメリカの議会議員選挙の支持票とが密接に結びついている

 

  ため,工場や基地の閉鎖・移転は,たとえそれが合理的な理由に

 

  よって本当に必要と  考えられても,議員にとっては最大限に避ける

 

  べき要素となり得る.

 

2.献金

 

  巨大軍需企業は,自社の製品やサービスが国防予算内に有利な条件で

 

       組み込まれることを望むため,シンクタンクやロビイストを通じて,

 

      アメリカ議会にさまざまな働きかけを行っている.また同時に,これら

 

      企業から合法や違法を問わず献金が行われ,政治活動資金として使用

 

  される.

 

3.輸出産業

 

  アメリカ製兵器は,映画や一部のコンピュータ関連商品, 航空機,

 

  農産物と 並んで,有力な輸出商品である.このため,アメリカ国民の

 

  強い武器に対する愛着と誇りも手伝って,輸出を前提とする産業構造に

  

  何らの疑問も抱かれないのが大勢である.

 

●イスラエル・ロビー

 

  イスラエルは国家成立のときから,いわゆる中東戦争で周辺イスラム

 

  諸国との 紛争を続け,欧米に居住するユダヤ系市民の支援だけでなく,

 

  アメリカの 莫大な軍事援助を受けてきた.・・・

 

  イスラエル自体も国家経済において,軍需産業が主要経済となり,

 

  アメリカと 同様に軍産複合体の様相を呈している.(このような条件下

  

  で,一部の ユダヤ系市民は有力なアメリカ言論界の支援とともに,

 

  活発なロビー活動を行っている)

  

  JINSA(国家安全保障問題ユダヤ研究所)は,アメリカ国内でイラク戦争

 

  を 最も強く推進した団体である.JINSAの顧問でネオコンのリチャード・

 

  パールは,開戦時の国防政策委員会のメンバーであったし,ディック・

 

  チェイニー副大統領やジョン・ボルトン国連大使,ダグラス・ファイス

  

  国防次官もJINSAの 顧問である.

 

  JINSA,ネオコン,キリスト教右派,IASPSCSPZOA ( アメリカ

 

  シオニスト機構)といった勢力からのイデオロギー的な強い働きかけも

 

  アメリカ軍需産業 の行動に影響を与えていると見られる.

 

 

●ポスト冷戦時代の軍産復合体

 

  「対テロ戦争」における実際の軍事行動は,対敵勢力の積極的な

 

  海外派兵に よって行われ,兵器の使用に伴って大きな軍事物資の

 

  需要が生み出されている.

 

        特にアフガニスタンとイラクでは,主戦闘以外のあらゆる侵攻作戦

 

  上の業務を 米国の民間会社へと委託する方式(民間軍事会社)を生み出す

 

  ことで,従来のように遠く離れた母国から武器などの物の販売によって

 

  利益を得るのではなく,戦争や紛争が起きている現場での労働力の提供

 

  による利益を追求するといった,戦争そのものが新たな産業として確立

 

  しつつある.

 

  「対テロ戦争」とは直接関係がない「弾道ミサイル防衛」に関しても

 

  対テロに よって減額されることなく,レイセオン社のような企業に

 

  よって開発と配備が 進められており,アメリカやカナダだけでなく,

 

  ヨーロッパと日本への配備も 進展しつつある.同時に,F22「ラプター」

 

  戦闘機や「ジョージ・HW・ブッシュ」,「ジェラルド・R・フォード」

 

  原子力空母といった通常戦争用の 新型兵器の開発と配備の計画も進展

 

  しつつある.  ・・・・

 

 

  アメリカ経済の軍事費および軍需産業への依存度を推定することは難しい.

 

       それは明らかに莫大であり,彼らの地区に影響を及ぼす防衛費の削減には,

 

       議員は激しく抵抗する.

  

  ワシントン州ではある経済学者は,2002年度に西部ワシントンで直接,

 

  間接に 防御産業を除いた軍事施設単独で166000人の仕事或いは約15

 

  の労働人口が 依存していると見積もった.ワシントン州で2001年度会計

 

  で総額706000万ドル の給与,年金,調達費が支払われた.この額は

 

  ワシントン州が全米で第7位 である.(米中冷戦状態にある中華人民

 

  共和国でも,アメリカの軍産複合体をモデルに「中央軍民融合発展委員会」

 

  を設置したとされる)

 

  歴代大統領と比較して海外派兵に消極的とされるドナルド・トランプ政権

 

  でも,パトリック・シャナハンやマーク・エスパーのような軍需産業

 

  出身者が アメリカ合衆国国防長官に指名され続けるなど軍需産業は強い

 

影響力を持って いる.

 

*********************************

 

 

キツネの感想文

 

アメリカとの同盟,アメリカ軍需産業との連携,おこぼれ頂戴,

 

儲け話,取引,なんとでも言いやがれ!

 

 

7月4日  朝日新聞 社説より

 

<宇宙基本計画>

 

「政府が先月,これから10年の基本方針となる宇宙基本計画を閣議決定

 

した」ところが,安倍政権下で3度めとなる今回の計画は,安保への傾斜を

 

一層強めている.宇宙を「戦闘領域」や「作戦領域」と位置づけることが

 

米国などで広がっているとの認識が前文で示され,宇宙政策の「目標」

 

として「災害対策」「科学探査」「経済成長」の前に,真っ先に「宇宙安全

 

保障の確保」が掲げられた.「具体的アプローチ」の冒頭にも,情報収集

 

衛星の10機体制など安保分野の取り組みが列挙された.多数の小型衛星を

 

打ち上げて一体運用する「コンステレーション(星座)」に,ミサイルの探知,

 

追尾といった早期警戒機能を担わせるべく,米国と連携して検討し,必要な

 

措置を講じると明記された」  (中略)

 

軍事的な宇宙利用を強める中国,ロシアを「最大の脅威」と位置づけ,

 

同盟国との連携強化を揚げる,米国の国防宇宙戦略に呼応する動きと言える.

 

・・・・

 

宇宙における軍拡競争をエスカレートさせたのでは元も子もない.軍事利用と

 

一線を画してきた日本にふさわしい,バランスのとれた政策を進めるべきだ.

 

(中略)

 

日本は「はやぶさ」など小惑星探査の分野で世界をリードする業績をあげて

 

きた.米主導のプロジェクトへの出費(例;トランプ政権の有人月探査計画

 

「アルテミス」への参加を正式決定)がかさみ,他にしわ寄せが及ぶのでは

 

本末転倒だ.対米関係に振り回されず,着実に技術を磨き,自らの強みを

 

伸ばすことこそ,将来の日本の立場を強くする.

 

 

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キツネの怒り

 

これぞ学習不能児政権のおそろしさ!(だからカイケン,カイケンといって

 

るんだな)「イージスアショアの見直し」で防衛大臣をアッパレと褒めるひとが

 

いるが,冗談じゃない.その裏でもーっと物凄い取引があったんだねー.

 

この取引の結果が日本にとって吉か凶か,裏表よーく見定めてから受けとる

 

ようにしようぜ.

 

そして,月からウサギを追い出すな!

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

2020年  2月  某日

 

今日は銀行へ生活費を引き出しにいった。キャッシュカード片手

 

に大勢の人が列をなし5本の大蛇みたいにうねって、一階ホールを

 

埋めている。(恐ろしや)。階段を登って、閑散としてた「通帳

 

から払戻し申請」窓口へ行く。受け取った現金を2つに分ける

 

必要があったので、「○○円だけ別にして」と頼んだら、それは

 

銀行の業務ではないので、自分で分けてくれという。

 

老人がおぼつかない手つきで札を数えて別封筒に入れるのを、

 

後ろから見ていた誰かが、サッとひったくって逃げたらと、

 

ひやひやする。そういえば、銀行員が札束を見事な手つきで

 

捌いて数えるなんて、昔のこととなった。今ではそれは機械の仕事

 

となり、「客の金を数え直す」ための申請書がいるということか。

 

それはさておき、最近テレビで“シン・テクノロジーはすごい!“

 

とかいう特集を見かける。シンとはシンギュラリティーのことらしい。

 

つまり人間並み以上の力持ち、計算も得意、何手も先を読み、記憶力

 

抜群の、代替ロボットシステムの話。

 

問題はそれが“すごい!テクノロジーの進歩“として喜ばれていることだ。

 

ある評論家は「将来人間は働く意欲を全く失う」という。

 

だが🦊は、人間は「機械国家のために奴隷のように、死ぬまで働かされる」

 

と思う。働かなくてもいいなんて、それは人間が機械を完全に支配下に

 

置いている場合のみ。人間が機械の命令に従うような社会が実現したら、

 

(その一線をシンギュラリティーというらしい)どうなるか、

 

機械国家が出来たとして、その政府の中核をなす機構、目指す将来像、

 

機械人たちのアイデンティティーは、浅はかな旧地球人由来の

 

国家主義、侵略戦争好き、に傾くだろう。それが彼らに埋め込まれた

 

歴史だから。

 

だから、今のうちに、世界の歴史に徹底した「平和主義」を植え付けて

 

おかなければ。

 

しかし、シン・テクノロジーは、真っ先に軍事技術目的に向かって走り出して

 

いる。機械社会も、原料争奪戦や、資本主義的金もうけシステムや民族差別や

 

憎しみ、

など、全て人間から受け継いでいる。結局シン社会では、人間は一切の

 

福祉の埒外にあり、生き残りたければ食い扶持を稼ぐために、荒地の開墾

 

から水の確保から、原子人類さながらに重労働をこなすか、金を払って

 

機械人を雇うか、(機械人が金を何のために貯めるかって?そりゃ、貴族の

 

位を買うためさ。または貴族議会の議員に選出されたいためさ。だって、

 

それが彼らが内臓する地球の人類史だからさ。また、機械だってエネルギー

 

を必要とするのは同じ。それを買うためでもある)で、人間は死ぬほど

 

働かなくてはならない。

 

一方、人間が機械を支配する社会は極楽だ、という説はどうか。

 

人間の肉体は適当に動かさなければうまく維持されないように

 

出来ている。で、寝たきりで健康、というわけにはいかない。

 

働く意欲がわかない、なんて言ってる間に、人間は全体として

 

弱くなって、繁殖力も衰え、離婚も増える。ヨボヨボになって機械人

 

の看護を受ける80老人は、「何もせんでええちゅうのも存外辛いもんよ

 

のう」という。寝たきりの100歳老人は、大昔の伝説、カエルや虫や

 

モモンガがいて花のさく野原の夢を見る。「あの世とはきっとこんな

 

ふうではなかろうか」とつぶやく。

 

どうすればいいかって?それは人類史を真の平和主義に転換することしか

 

ない。

 

今だって、シン・テクノロジーは軍事方面にいち早く取り入れられ、

 

それを待望する好戦的マスコミの飯の種になっている。

 

ありゃリャー!

 

 

 

     地球の手入れをしながら、その恵みをありがたく頂く。


鉱物や植物や動物を「金に変える」ことを“GDP“などと言い、「生産性」


などという、資本主義経済の経典を廃止する。


一族の土地を柵で囲い、互いに殺しあってでもそれを広げようとし、


それが「地政学的に正しい」、「民族の権利」だとする悪魔の学問と


学者、マスコミを追放する。


難しいことではない。ただ、我々の真っ当な平和願望を貫きさえすれば。





タカサゴユリの種と

 

ホウチャクソウの種。

 

タカサゴユリは、その昔台湾から

 

きたんだって。

 

いまは道路際の花壇なんかにも

 

かってに生えてきれいな花を咲かせ

 

ている。フランスパンみたいな

 

鞘のなかにはたねがぎっしり。