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耳はあるけどロバの耳

耳はあるけどロバの耳         2018  10  13

ロバ君、怒らないでね。人間だけど「聞く耳持たぬ」輩
のことだ。
例えば、予算委員会の場で、与党党首の身でありながら、
反対意見にヤジを飛ばす、または、選挙カーの前に来てくれた
国民のヤジに怒って「こんな人たちに負けるわけにはいかない」
と叫ぶ首相、
または、政府のある施策に関する公聴会に、被害者代表として
民間人を招致しておきながら、途中で証言を遮り「いいかげんに
しろ」と怒鳴った議員とか、
または・・アメリカでの話だが、me tooの告発者が、
事件当時の正確な時刻や場所の記憶が無く、(当たり前だ。
睡眠薬を盛られていたと言うし、人間には恐ろしい記憶を消し去る
能力もある)正確な証言ができないのを、身振り手振りで
あてこすり、侮辱的な発言をする大統領。


ノゲシ  3〜9月

 

春から秋まで咲いている。 とげが目立つが、さわってもいたくない。体型は

 

ズングリ。

 

2019  8

 

北極の白クマとセイウチが、一人の少女をアメリカへ送って、

 

つぎのようなメッセージを届けた。「アメリカ大統領さん、

 

どうぞサイエンスを学んでください」。

 

 

 

アメリカ大統領がこれに何と答えたかは伝わっていないが、

 

多分こんなところだろう「サイエンス?それこそアメリカの

 

得意とするところだ。ノーベル化学賞、物理学賞、医学賞、

 

などアメリカ人の受賞者はダントツに多い。サイエンスの

 

ことならアメリカに聞け」とか。

 

 

 

シロクマは言った「うん、アメリカの空は澄んでいる。

 

気候変動なんて、どこかの国が、後進国を騙して広めた

 

ウソ話さ、とか言ってるそうだね」

 

セイウチも言った「そうそう、俺達の氷の島がなかったら、

 

我々は子育てが出来ない。(あんたは俺を食べるけど、

 

それはしかたない)大気の温度が高くなって、氷がとける

 

と、俺らは居場所が無くなって、困っちまう」

 

「気候温暖化は人間の科学がエネルギーを生み出すこと

 

ばかりに集中して、その結果、二酸化炭素や廃棄物を

 

たれながし、大気の成分を勝手に変え、しかも

 

それを修復してくれるはずの森林をつぶし、大海をゴミで

 

汚し、平気でいるからなんだ。(俺はあんたのようなデカイ

 

老セイウチにはかなわん。ごく幼いちいさな子に限って頂く

 

だけさ、ね)」

 

「そういうめぐり合わせというか、何と言うかわからんが、

 

「氷がすっかり溶けたら絶滅危惧種同盟」とか、「大森林が

 

すっかり畑に変わったら絶滅しか無い者同盟」とか、他にも

 

いろいろあらーね、一致団結してさ、大宣伝をやろうじゃ

 

ないか。「お前らだって、空気無しでは生きられない哺乳類

 

じゃないか?水無しでは生きられない魚と同じ、氷の島なしでは

 

生きられないシロクマやセイウチと同様に」と。

 

「彼らはミミを持ってると思うかい?」

 

「うん、どうやら他人のはなしを聞くためのミミじゃなさそう

 

だしなー」

 

(少女は国連の場で、「私達子供のことをどうか、考えて!未来の子供達に

 

汚れた地球を遺さないで! 地球環境科学の成果を真剣に受け止めて!」

 

と涙ながらに訴えた。それに対してロシアのプーチンはこう言い放ったという。

 

「世界はあなたの思うよりもずっと複雑なんだ。もっと世間の事情をよく勉強

 

してから来なさい。あなた幼なすぎる」と。

 

シロクマ曰く 「ふーん!そりゃ、糠にクギじゃなくてバカにクギだな。 

 

空気は無限に宇宙空間にまで広がっていると思ってやがる。海はなんでも

 

受け入れて浄化してくれると勘違いしている。その手の教育がゼロなんだな」

 

セイウチ「彼らにや耳が無いんだぜ。教育も無駄ってもんさ。 第一、

 

人間自身がいまや第一級の絶滅危惧種だということを知らんのだからなー」

 

 

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2020   2

 

物知りのシロクマいわく「地球の46億年の歴史の中で,今のような澄んだ

 

青空が当たり前になったのは,ごく最近のことだ.それまでに長い時間を

 

かけて,生物が生まれ出て,大気中の有害物質を食べ,消化して数を増やし,

 

その死骸が地中や海底に積もり積もって石炭や石油になり,空は気持ちよく

 

晴れ渡った.

 

空気中の有害物質を地下に閉じ込めたのは「母なる地球」自身で,われわれは

 

その恩義を忘れてはならないのは当然であるのに,それを忘れて,

 

「エネルギー」の名の元に開放し,再び大気中に解き放って,「空は

 

無限だ.いくらでも希釈してくれる」というのだから,呆れてものがいえない.

 

地球の大気は閉じた空間で,ナベの中のスープみたいに濁りもするし,熱くも

 

なる.それを現代人が知らぬとは驚きだ.ハジメテ石炭を見つけた原始人が,

 

「燃える石!」と感激したのに比べても,現代科学者さんのレベルはあまり

 

進歩していない,というか,視野が狭くて,目前の発見が己の名誉(または金)

 

に結びつく,

 

そのことに酔っ払ってしまうんだろうか?彼らも耳なし人間なのか?

 

身近なオハナシで,洗濯機で洗った化繊の靴下からは,ミクロのナイロン

 

繊維が水とともに排出され,やがて海水中に流れ込むそうな.コワヤ,こわや!

 

 

 

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🦊このところ,おでんかタラちり鍋をよく食べる.タラチリはキツネの

 

ような戦後欠食児童 にとってはすごいごちそうだ.それというのも,

 

アメリカ産の甘塩タラが安く買えるからで,船の上で冷凍するせいか,

 

新鮮で.アンモニア臭も全く無い.戦時中は長野県に疎開していた

 

のだが,ここは「信濃の国は十州に堺連ぬる国にして・・」と

 

県歌にもあるとおり,海が無い.生魚なんか口にしたこともない.

 

干し魚かカンズメ.で,肉といえば兎(家で飼っていた)の鍋を一度だけ

 

食べた記憶はあるが,味は覚えていない.

 

 東京に戻ってからも.近所の魚屋にあるのは主に干物と,あとは

 

旬のサンマぐらい.10尾ほどザルに盛って80円か100円で売って

 

いたと思う.これを買いに行かされるのだが,どうやって持ち

 

帰ったものか?多分新聞紙にくるんで来たんだろうが,ボンヤリの

 

キツネは覚えていない.トーフは持参の両手ナベに入れてきた.

  

今時ビニール袋や発泡スチロールのトレーなしでは商売ができない

 

だろう.文明の進歩をここらへんで止めて,かと言って後戻りは

 

不可能だから,せめてレジ袋は有料に,又は代わりに入れ物

 

持参で・・とか,地球温暖化対策みたいなものが小さな芽を吹いた

 

らしい.何でも,大袋1枚で,自動車の走行距離○○m相当の

 

CO2排出を減らせるとか・・(うちは自動車も持たず,免許も

 

なしだ.その分の袋はタダでよこせ・・なんて言わないが,

 

自動車を減らし,市電を復活させれば,そのほうが良いんでは?)

 

 石油製品が安価なのは,使い捨てたあとの回収,無害化処理?

 

の費用が含まれないからだろう.原子力エネルギーが割安なのは,

 

国が廃棄物処理費や防災対策費は「かんがえないこと」にしている

 

からだろう.石油・石炭生焚きがCO2排出の一番の元凶ならば,

 

風力,水力,潮力,地熱,キカイ力(人力?)に太陽エネルギーも

 

加えた地域発電網を作ったほうが早いんでは?(最低限,家庭生活

 

に必要な電気はこれで賄う)

 

魚を急冷凍する.冷凍車で遠くへ運んで売る.このことに文句を

 

つける人はいない.特に海から遠くにいる人は,これを人類文明

 

の進化として大歓迎するだろう.漁業者にとっても同様.

 

しかし,植物由来のCO2フリー燃料についても,その需要に応じて

 

大量生産するために,熱帯雨林が開墾されて乾燥した畑となり,

 

CO2を吸収してくれるはずの森林面積が激減し,更に広大な原生林の

 

乾燥化による火災が大気中のCO2を急速に増加させているという.

 

都市部の人間の欲望を満たすために,地球の反対側では環境破壊が

 

起こっている.

 

一方で,陸路,水路,空路を問わず,化石燃料で動く「運搬人」は

 

大量のCO2を振り撒きつつ移動する.

 

北欧の少女の訴えを無碍にけなしつける愚かな政治家の発言

 

(「彼女は自分の怒りを制御する術を学ぶべきだ・・トランプ」)

 

にもかかわらず,世界の航空機産業は,現在の石油生焚き状態から,

 

次世代航空機としてジェットエンジンの電動化に取り組み初めており,

 

2050年には,2005年のCO2排出量を半減させる方式を模索している

 

ーー(JAXAの資料による)

 

LAXAによれば,ジェットエンジンの電動化について,

 

「国際民間航空機関や国際航空運送機関では,2050年には,

 

CO2排出量を2005年に比べて半減させる方式を模索しており,

 

JAXAではその一つとして,ジェット燃料を電気に置き換える

 

形でのエンジン電動化に取り組もうとしている.

 

小型機ならばリチウムイオン電池で飛ばせるが,中・大型機では

 

無理なので,ハイブリッド方式(ジェットエンジン又はガスタービンと,

 

電動モーターを組み合わせる)による.その中「シリーズハイブリット

 

方式は,ジェットエンジンによって生み出された電気を電動モーターに

 

供給しファンを回転させる方式です.JAXAもこの方式を目指しています.

 

シリーズハイブリット方式では,ジェットエンジンがタービンを回転

 

させます.そのタービンの回転が発電機へと伝わり発電します.

 

(地上のガスタービン発電と同じ)ジェットエンジンは発電機の駆動用

 

として使用するため,機体のどこに置くかは比較的自由です.また,

 

推力を生み出す電動ファンの配置やファンの数も自由,という自由度

 

の高さが特徴です.また,余剰の電力が発生する場合にはバッテリー

 

に充電しておき,必要な場合に使用するという使い方もできます.

 

また,電動モーターを使わない場合は,再生エネルギーでバッテリー

 

を充電することもできます.」

 

注:再生エネルギー=再生可能エネルギー.化石燃料以外の,風力,

 

太陽光,その他CO2を排出しない動力によって作られた電力)

 

また,石炭輸送船をLNGで!動かそうという試みも始まっているらしい.

 

フェリーのLNG燃料化も一部で検討されているらしい.

 

資源エネルギー庁のサイトによれば,LNG消費大国である

 

日本は,「LNG産消会議2019(LNG産出国と消費国が,

 

長期的な受給関係見直しを共有する) において,官民で

 

100億ドルの環境整備資金を追加,人材育成費500人分を

 

負担するとの約束をした.

 

LNGCO2排出量は従来比20%削減できる見通し,SOx

 

(硫黄酸化物)排出量はほぼゼロになるという.

 

 

 

一方,鉄鋼業界はどうかというと,

 

三菱総合研究所のコラム「製鉄の将来」によれば「鉄鋼は

 

二次産業の基礎材料として幅広く利用されており・・・

 

(現況は業界として停滞期に入るが),環境対応を迫られる,

 

中国からのリサイクル(鉄スクラップを電解炉で精錬し

 

鉄鋼として再利用する.CO2排出量が4分の1に減る)

 

が増え,従来の鉄鋼一貫方式(鉄鉱石,石炭,石灰石を

 

高炉で熱し鋼鉄を作る.多量のCO2が発生する)

 

に変化が起こる,また金属材料の代替(アルミや樹脂など)

 

で軽量化を図るなどの動きも見られるが・・・

 

「鉄鋼の低価格と膨大な消費量,長年にわたる品質や

 

製造技術の蓄積は圧倒的である.(高付加価値品を除けば)

 

供給量という意味では,影響は小さいだろう」という.

  

「環境対応を迫られる」対策として,鉄鋼一貫方式でも,

 

CCS (CO2を地下に貯める)方式の高炉を増やす,または

 

日本での取り組みとして,コークス炉ガスから水素を分離し,

 

水素還元法と組み合わせることにより,CO2排出量を30

 

削減することを目標とする研究もすすんでいるとも付け

 

加えているが,一方で「石炭は日本のエネルギー供給の20%を

 

支える.現在の石炭埋蔵量は,石油の5倍はある」ので,将来も

 

その地位は安泰,とも.

 

まさしく大人たちの言う「むずかしい問題がある」,「理想通り

 

にはいかないものさ」,「うちも一応対策はチョッピリやって

 

いるがね」とは,正直すぎるし.いいわけがましい.

  

しかし,「発電はここ当分,石炭に頼らなければならない」

 

というのが,政府の見通しであり,一部企業で始まった環境対策の

 

取り組みとは関わりなく,政府は民間の工場での化石燃料の生ダキ

 

(安価であるから)状態を改善するための大規模投資を行う気配はない.

 

地球温暖化対策についての日本環境大臣の国連でのご立派な演説は,

 

「温暖化対策に,緊急に取り組むべきだと心から感じました」みたいな,

 

まるで中学生の作文.

 

民間業者の1票は地球より重い,ってか.だって安いんですもの,か.

  

北欧の少女は「科学を学んで!」と言ったが,むしろ「政治家は

 

自分の使命がどこにあるか,その活動は誰のためのものか,

 

地球規模での生物の未来と幸福のために奉仕すべきことを,

 

わすれるな!」と,また「いますぐ行動を!」と訴えたのでは.

 

少女の発言は正しいとキツネは思う.

 

対話というものも,聞く耳あってのことだ.

 

耳はあれども,センキョ,センキョとその筋の情報ばかりの

 

変な補聴器を発達させて,目からの情報は都合が悪けりゃ削除,

 

黒塗り,廃棄,それが「正しい対処」であるという.まったく変な国さ.

 

 

 

2020   4月  25日

 

北国のシロクマとセイウチが,空を見上げて言いました.

 

「ああ,キレイな青空だ.久しぶりだなあー」.

 

「人間たちの国に何が起こっているか,聞いたかね?」

 

「うんうん,コロナウイルス・パンデミックとか

 

なんとかだろ」「ウイルスが怖いからみんな家から出られない,

 

働きにいけない.で,工場はストップ,物は売れなくなるから,

 

製造業者も販売業者も従業員を解雇したり,廃業したりと

 

四苦八苦.飛行機も飛ばない,工場は閉鎖で,化石燃料の

 

消費がぐんと減る・・

 

すると,空が澄んで青くなるというわけだとさ」

 

「よしよし,後は人間が居なくなりゃバンザイ!だな」

 

 

地球温暖化の予測は正しいか?

<不確かな未来に科学が挑む>

江森正多(えもり せいた)著

2008年  化学同人刊  DOUJIN選書20

 

 

🦊:この本は、気象学の専門家による、地球温暖化の

 

将来予測であり、昨今出回っているニセ科学者その他の

 

「地球温暖化のウソ」などといった根拠も出典もない

 

世論誘導本(裏で米英などの大石油資本が糸を引いて

 

いるらしい)とは全く違う、なぜそれが正しいのか、

 

素人にも分かりやすく解説し、しかも軽快な文章だ。

 

前半のスーパーコンピューターの部分は(キツネには難しい

 

ので)飛ばして、

 

 

p152「日本の気候はどう変わるか」より抜粋

 

日本の研究チームとしてIPCCの第4次評価報告書に向けた

 

予測計算を地球シミュレータ(海洋開発機構=JAMUSTEC

 

の横浜研究所に置かれた、NECのAurora Tsubasa B401-8

 

スーパーコンピューター)で行い、特に日本の周りに注目

 

していろいろと解析したので、その中でもう少し具体的に

 

解ってきたことについても説明しておきましょう。

 

 

 

地球シミュレータを使うことにより、今まで表現できなかった

 

大気の比較的細かい構造がシミュレーションできるように

 

なりました。その中の一つで、我々が注目したものに梅雨前線

 

があります。日本の気候、特に夏の気候を考える場合に、温暖化

 

した時に梅雨前線がどうなるかは重要な問題です。

 

梅雨前線の変化ーー梅雨の様子は毎年同じではありません。

 

年によって長梅雨の年があったりします。長梅雨の年には、

 

梅雨前線が日本付近に居座り、天気が悪い日が続いて冷夏に

 

なります。その間に大雨の被害も出やすくなります。反対に

 

空梅雨の年は、梅雨がさっと明けてしまい、すぐに太平洋

 

高気圧が日本を覆ってカンカン照りだけど蒸し暑い日が続く

 

暑夏になるわけです。

 

長梅雨の年に典型的な気圧配置の特徴の一つは、オホーツク

 

海の高気圧です。これが北から冷たい風を送り込んで、梅雨

 

前線の北上を妨げます。また、熱帯太平洋の東側の水温が高い

 

エルニーニョの年には、冷夏、長梅雨が比較的多いことが

 

知られています。この時、フィリピン付近が平年と比べて高気圧

 

になり、南から湿った風を梅雨前線に送り込みます。

 

シミュレーションでわかってきたことは、温暖化が進むとどうやら

 

この長雨のパターンの年が増えるらしいということです。(我々の

 

グループだけではなく、もう一つ別の気象庁のグループが別の気象

 

モデルで行った予測も、同じような結果になりました。

 

ただ、そうすると気温はどうなるのかが気になります。長梅雨の

 

年は天気が悪くて日照時間が短く、夏は涼しい。じゃあ、温暖化

 

しても日本の夏は冷夏が増えるので、気温はそんなに上がらない

 

のではという気もしますが、残念ながらそうではありません。

 

やっぱり気温は上がります。天気の悪い年が多少増えるくらいで、

 

温暖化による気温上昇を打ち消すほどではなさそうです。

 

そう言われてみると、2007年の夏は梅雨明けが遅かったのですが、

 

梅雨明けした途端にすごく暑くなりました。その前の2006年の

 

夏もそんな感じでした。それが温暖化のせいだとは言いませんが、

 

温暖化が進むとそんな夏が増えるのかもしれないと想像することが

 

できます。

 

台風はどうなるかーー熱帯低気圧(その強いものが日本付近では

 

台風と呼ばれるわけですが)がどうなるかも非常に気になるところ

 

です。しかし、残念ながら現在の気候モデルが台風を現実的に再現

 

する性能はまだ十分ではなく、まだあまり詳しい予測をいうことは

 

できません。例えば、台風の進路がどうなるかということはなかなか

 

言えません。

 

温暖化した時の台風について、特に集中的に調べている気象庁の

 

グループによれば、台風に限らず熱帯低気圧ーーアメリカ付近の

 

ハリケーンなども全部含めてーーの発生数は、温暖化した時の方が

 

減るだろうと予測されています。ただし、全体の発生数は減っても、

 

特に強いものの数は増えるだろうと予測されています。発生数が‘減る

 

理由は、温暖化すると熱帯では大気の下が上より暖まり、大気が安定

 

するためという説明が考えられています。強いものが増える理由として

 

は、大気中の水蒸気が増えることによって、発達しやすくなるという

 

効果が指摘されています。まだこのあたりは研究途上ですが、強い

 

台風が増えそうだという予測があることは、社会にとって重要な意味を

 

持っていると言えるでしょう。

 

 

p157「2℃の上昇を想像する」より

 

日本に関して言えば、温度は上がり、梅雨は長くなり、大雨も多くなり

 

ます。また寒い冬は減り、当然それに伴い雪も減る、ということに

 

なります。しかし、それがどれくらいに大きな変化なのかは、なかなか

 

分かりにくいものです。そこで、その大きさの感覚を少し説明して

 

みましょう。例えば日本の1年間を通じた平均気温が2℃上がるとします。

 

これは高めの温暖化予測では、50年後くらいに起きてもおかしくない

 

上昇です。ともあれ、仮に2℃上がったとしましょう。すると、例えば

 

東京の年間平均気温が今のどこと同じになるかというと、大体鹿児島

 

くらいです。「ふーん、鹿児島か」と思うかもしれません。確かに

 

東京から旅行で行ったら、暑いけれども普通に過ごせますし、鹿児島

 

の人は普通に住んでいます。死ぬほど暑いわけではないということは

 

わかります。

 

図は本書から転載  気温が2℃上昇したら、暑夏が長く感じられる。   

 

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別の見方をしてみましょう。四季がどう変わるかということです。

 

東京の日々の平均気温の変化のグラフを描きます。もちろん

 

年によって凸凹がありますが、それをならした平均的なグラフを

 

描くとします。いつからいつまでが夏で、いつからいつまでを

 

冬とするかは人によって違うかもしれませんので、ここでは暑い

 

方から4分の1の日数(92日間)が夏、寒い方から4分の1を冬と

 

します。(図3−4)、つまり、ある温度より高い日の日数が1年の

 

4分の1になるように夏の温度のしきい値を、ある温度より低い日の

 

日数が4分の1になるように冬の温度のしきい値を決めてやります。

 

そういう図を描いて、気温のグラフを全体的に2℃上げてやると

 

どうなるか。ただし何℃から上が夏、何℃から下が冬という温度の

 

しきい値は変えません。すると、大体夏が1ヶ月長くなり、冬が1ヶ月

 

短くなります。春は半月早くなり、秋は半月遅くなります。四季が

 

だいぶ変わってしまう気がするのではないでしょうか。もちろん日の

 

長さなどは変わらないので、文字通りの式ではありませんが、暑さ、

 

寒さでいうとそういう感覚になるということです。すると、例えば

 

1日の最高気温が30℃以上の「真夏日」も20日前後増えます。1日の

 

最低気温が25℃の「熱帯夜」も20日前後増えることになります。

 

熱帯夜がおよそ1ヶ月増えると言われると、ちょっと嫌だなという

 

気がしてくるのではないでしょうか。

 

もう1つ別の見方をしてみましょう。先ほど長梅雨の年があるという

 

話をしました。長梅雨の年は大体涼しい夏、逆に空梅雨の年は暑い夏

 

です。この暑い夏と涼しい夏の差は、夏の(6月から8月の)平均気温で

 

いうと、実は2℃とか3℃と言った程度なのです。

 

そうすると、平均して2℃上がるとはどういうことかというと、「冷夏」

 

になるはずの長い梅雨の年がきても、夏の平均気温で見ると、かつての

 

空梅雨で暑夏だった年と同じくらい暑いということです。当然、空梅雨の

 

年が来ると、その場所で今まで全く経験したことがないような暑さに

 

なります。記録的な猛暑と言われた1994年や2004年の夏に

 

暑い日が続いてネを挙げた記憶がもし残っていたら、あの暑さが一番

 

マシな暑さになるということを想像してみてください。

 

 

p160「海面上昇」より

 

温暖化に伴う気候の変化としてもう一つ重要なのは海面水位の上昇

 

です。過去には世界の平均で100年間におよそ17cm上がってきた

 

と言われています。これがこの先どうなるかというわけです。まずIPCC

 

(気候変動における政府間パネル)の予測を引用すると、これからの

 

100年間で18cmから59cm上昇するという数字が出ています。

 

ただ、よく読むとこれはいろいろな注意書きが付いているので、

 

そういうことも含めてこの意味を説明しておきましょう。

 

なぜ海面上昇が起こるのか。

 

まず、海面が上昇するのはなぜかというと、2つの理由があります。

 

1つは温暖化によって海氷が温まり、膨張することです。もう1つは、

 

陸の上の氷が減少するーー融ける、あるいは海に流れ込むーーことで、

 

海の水が増えることです。よく知っている人も多いと思いますが、海の

 

上に浮かんでいる海氷が溶けても海面は上昇しません。氷は水よりも

 

軽いから浮かんでいるのであって、氷が溶けても水面下にあった分の

 

堆積の水にしかなりません。ですから、基本的には海氷が溶けても

 

海面はそのままということです。

 

では、陸上のどこにある氷が減って海の水が増えるのかというと、

 

一つは山岳の氷河があります。山の高いところは寒いので、氷が存在します

 

それから今、地球の陸上で沢山氷があるのは、南極とグリーンランドです。

 

山岳の氷河とグリーンランドの氷は近年明らかに減少していると考えられ

 

ています。

 

南極の氷はどうなるーー難しいのは実は南極です。南極は非常に寒く、

 

ほとんどの場所で気温はゼロよりずっと低いです。そうすると、多少

 

温度が上がっても、ほとんどの場所で氷は溶けそうにありません。(中略)

 

(最近はその見方が変わってきて、どうも南極の一部で氷河の流れが

 

速くなってきており)例えば、2002年にラーセンBという大きな

 

氷の塊が南極で崩れ落ちました。それは棚氷という、氷河が南極大陸

 

の上から海の上にはみ出ているような状態のものです。この棚氷が、

 

いわばつっかえ棒のような役割を果たしていて、そのつっかえ棒が

 

外れることで、上流の氷河がどんどん海に流れてゆくのではないか。

 

そういうことが今でも起こっているし、これから温暖化が進むと

 

どんどん起こるかもしれないというわけです。(中略)

 

なお、北極海の氷は融けても海面は上昇しないと言いましたが、

 

だったら溶けてもいいかというと、そういうわけでもなく、

 

ホッキョクグマに象徴されるような生態系の問題は多くの人が

 

心配していることだと思います。

 

特に北極海の氷は、近年急速に減ってきています。もしこの

 

ペースで減れば、今世紀の早い段階で9月(北極海の真夏にあたる)

 

には北極海には氷がほとんど無くなるということを付け加えて

 

おきます。

 

p166「どのくらい深刻なのか」

 

温暖化の話は、どうしても「こんなに怖いんだぞ」という言い方

 

がされるケースが多いように思います。その話を、最終的に我々は温暖化を

 

どこで止め、そのためにどんな対策をとるべきかといった判断、意思決定に

 

つなげなければなりません。その判断をするには、なるべく偏りのない、

 

客観的な情報としてこれらの問題を冷静に整理する必要があると、僕自身

 

は思っています。

 

温暖化の影響として言われていることは、言われてすぐにうまく想像できない

 

ような問題も多く、また「怖いぞ」と言われても、それがどれくらい怖いこと

 

なのかよくわからない、ということも多いのではないかと思います。

 

🦊:この後に筆者は、農業、水不足、健康、などに及ぼす温暖化の影響をあげ、

 

「温暖化するとこれが起こりあれも起こるから怖い」といえば良いというもの

 

ではなく・・「そこで我々の課題は、過去や現在の何を検証すると、将来の

 

何の予測の信頼性に繋がるかを調べる事です」と述べて、その方法、物差し、

 

日常的な判断、地球安定化目標、温暖化を止めるための対策とコスト、どこで

 

止めるか・・・などの、さまざまな情報の「不確かさ」との科学者の闘いに

 

付いて、我々に教えてくれる。

 

p202 「さまざまな不確かさ」より

 

それでは、この判断のために必要な情報と、その不確かさについて見て

 

みましょう。例えば、2008年7月に北海道の洞爺湖で行われたG8

 

サミットでは、2050年までに世界の温室効果ガス排出量を現状と

 

比べて50%以上削減しようという目標が出されました。

 

排出量の目標が決まると、温室効果ガスの寿命や吸収の計算を行う

 

ことによって、排出量の目標を達成できた時の温室効果ガスの濃度を予測

 

することができます。気温上昇による土壌からのCO2排出(地中の微生物

 

が排出するCO2)の加速などが不確かで、自然界によるCO2の吸収量が

 

将来どう変化するかの予測に不確かさがあるのでした。

 

これを「気候ーー炭素循環フィードバックの不確実性」と呼びます。

 

濃度の目標が兎も角も決まったとすると、気候モデルを用いて濃度の目標を

 

達成できた時の気候変化を予測することができます。但しここにももちろん

 

不確かさがありますね。特に、地球平均の地表気温上昇量の予測には大きな

 

幅がありました。すなわち「気候感度の不確実性」です。

 

気温上昇量の目標が兎も角も決まったとすると、その時の気候変化が人間

 

社会にもたらすさまざまな影響を評価することができます。但しここにも

 

大きな不確かさがあります。化学的には、北極やグリーンランドの氷河の

 

加速がどう起こるかが不確かなため、海面上昇の予測に大きな不確かさが

 

ありますし、降水量変化の地理的分析や異常気象の4発生傾向の予測が

 

不確かなため、温暖化に伴う自然災害の影響評価にも不確かさがあります。

 

さらにいえば、温暖化を止めるためにCO2の排出を削減する対策の方にも

 

不確かさがあります。人口や経済発展などの社会経済シナリオがどうなるか

 

によって、同じだけの削減を達成するに必要な対策が異なってきます。

 

p204「合理的判断は可能か」より

 

このような不確かさに満ちた条件のもとで、人類はどれだけ合理的な判断が

 

可能なのでしょうか。IPCCは、そのために現時点の科学が提供しうる情報を

 

最大限に提供していると言えると思います。(IPCCが第4次評価報告書

 

においてCO2排出量、CO2濃度、気温上昇量の3つをできる限り科学的に

 

繋いで、「政策決定者向け要約」を作成しているが、)そのグラフによれば、

 

CO2濃度が2倍になれば、気温が2.5℃上昇すると予測している。この場合も、

 

さまざまな不確かな情報の、ほんの一部を取り上げているに過ぎない。

 

ここで、IPCCはこのようにさまざまなレベルの目標を整理しただけで、

 

「人類はどのレベルを目標にすべきである」とは一言も言っていないことに

 

注意しておいてください。これは重要な点です。IPCCは政策の選択肢を

 

提示するだけであり、政策の選択そのものは政治が行うという原則があり、

 

それに則っているのです。ではここからどのように選んだら良いのでしょうか。

 

(例えば降水確率を基にしてイベント開催の判断をする場合などのように)

 

もしもそれぞれの安定化目標に対応する影響の総計が経済価値で表され、

 

同時にその目標を達成するのに必要な対策コスト(適応コストも含む)

 

の影響の総計もわかるならば、それらが確率的にも表され、確率的な

 

関係で繋がっていたとしても、ある種の合理的な判断を示しうことができる

 

でしょう。しかし、現実的には、影響の総計が経済的価値で表せるほど

 

我々の研究はまだ進んでいないと思います。また、人命の価値や自然の

 

恵の価値など、温暖化で損なわれるものの中には、経済価値で表すには

 

難しい部分も多く含まれています。すると、判断はもう少し主観的に

 

ならざるを得ません。(ちょうど傘を持って行くべきか判断する時のように)

 

つまり、降水確率が低くても念の為に傘を持って行く心配性の人もいるし、

 

降ったら降った時のことと開き直って持って行かない強気の人もいるでしょう。

 

同じように、低い確率で起こるかもしれない大きな気温上昇をどれくらい

 

心配するかは、人の性格によっても立場によっても違うでしょう。

 

社会的に重要な判断でこのような不確かさが伴う場合は、「予防原則」

 

という考えがよく持ち出されます。予防原則は、環境に重大かつ不可逆的な

 

影響を及ぼす恐れがある場合、科学的に不確かであっても規制措置をとる

 

といった考え方です。しかし、この原則も使い方が難しく、重大な影響を

 

及ぼす可能性がほんの少しでもある場合は全部ダメということにすると、

 

実際問題として厳しすぎる判断となってしまう場合があります。

 

 

p208「現実世界の判断」より

 

科学的な情報を参考にして意思決定をするという作業は、なかなか一筋縄

 

でいくものではなさそうです。そのような場合には、現実世界では何が

 

起こるかというと、一方では大胆な政治決断があり、また一方では利害調整

 

の駆け引きがあり、そういったものを積み重ねて物事は決まっているように

 

見えます。

 

このように、現実世界での判断は良くも悪くも政治的なのです。しかし、

 

その中で科学的な予測情報が役に立っていないかというと、そんなことは

 

ないと思います。政治的な判断は、今のところ科学的な情報を適切に参照

 

して、その不確かさの範囲内で行われているように見えます。もちろん

 

地球の平均で何℃上がるかという数字のみでなく、温暖化すると「自分の

 

国で何が起こるか」という、より具体的な予測情報が、各国の温暖化問題

 

に取り組むポジションを与えているだろうと思います。・・・

 

ところで、これまでサラリと書いてきましたが、世界の(当然途上国を

 

含めて)温室効果ガス排出量を遅かれ早かれ現在の半分にするということは、

 

明らかに大変なことです。

 

これは人類の文明の大きな変革を意味するように思います。この人類史上

 

重要な意味を持つ判断が、遅すぎることなく行われ、かつどさくさに紛れて

 

変な判断にならないことを祈るばかりです。そして我々科学者は、その判断

 

に当たって科学的な情報が適切に参照されたかどうかをチェックするとともに、

 

将来必要に応じて判断の修正が行えるように、科学的情報を今後さらに充実

 

させてゆくという役割を負っているつもりです。 

 

 

 

 

アキノノゲシ    (またはただのノゲシ)


何?このひょろ長いの。遠くで見ると外来種のブタ菜とそっくり。


でも1年中咲いてる「ブタのサラダ」(フランス名)とは


違って、秋に咲く。うちのプランター植えでは、夏によく


しゃくとりか毛虫にすっかり葉を食われてしまうから、


アキノノゲシには「シャクトリのサラダ」という名が


いいかも知れない。

 

葉にトゲがないのと、花が小さな皿のように平に開き、中心が濃い色に見える。

 

9月  アキノノゲシ−1

 

シャクトリが2匹で、大事なアキノノゲシの葉を

食い尽くしてしまった。さて、どうしようか?

大事にしているアキノノゲシの鉢がもうひとつ

あるが、葉っぱは1匹分しかなさそうだ。

 

あとの1匹は、ひねり潰すわけにもいかず、

近縁の?ノゲシの葉の上に置いてやった。

 

幼虫の食べ物というのは、最初に食べ始めた草

を変えないもののようで、以前にナミアゲハの食草を途中で変えて、失敗している。(野草と追いかけっこ)

ノゲシの苗ーA

 

 

アキノノゲシの苗 ーB

A、B、どちらの虫も、ちょっと食べただけで突然

葉裏にもぐって吐いた糸にくるまって寝てしまった。

 

それからどうなったかって?

 

しゃくとりはサナギになったが、ある日、かけておいた網をはずすと、2センチほどの小さなシャクトリが

這い出してきた。AもBもハチの中の葉っぱは残らず食いつくされて、枝ばかり、サナギは?

どこにもない。どちらの鉢にも、もう一つの卵が産み付けてあったらしい。Aにも,Bにも・・。

葉っぱごと後輩に食われてしまったのか?

 

 

アキノノゲシ −2

 

アキノノゲシが成長すること、何と1m60cm。

なぜ下葉がこんなに枯れ上がったかというと、

真っ黒なアブラムシのせいらしい。あわてて

手ですりつぶしたり、アリアブラムシ撃退用

粉薬をまいたり、で、やっと花芽の準備が出来

た。

ところがところが、今度は小さな

コバエほどのアブだかハチだか、

ブンブンと飛び回って、

どうやら産卵しているようだ。

 

写真の玉付き待ち針みたいなのが

それ。綺麗な蕾の一つ一つに、

飛びながら産み付けている。

 

チクショウメ、チクショウメと

言いながら、ハサミで柄を切り離す

間にも、葉っぱの先に産みつけ

ようと飛び回っている。

 

虫のヤツを水鉄砲で追い払う。

 

1日何回もこれをやるのでくたくた。

さらに20センチ伸びて、花が咲きました。

 

めでたし、メデタシ。

9月  コマツヨイグサにセスジスズメ蛾の幼虫が・・

 

コマツヨイグサはアカバナ科だが、ほかにサトイモ科のカラーや

 

コンニャク、インパチエンス、ツリフネソウなど、旺盛な食欲で

 

、園芸愛好家や農家に嫌われているんだとか。

 

 

 

 

あっという間におおきくなって

 

横縞のシャツに着替えた。

 

ところがもう一匹小さいのが・・

 

オイオイ、キツネの大事にして

 

いる野草の鉢にやたらに卵を

 

産み付けるのはやめてくれ!

アキノノゲシー3

 

10月末、夏に電動草刈り機で刈られた

株から脇芽が出て来た。25センチ程の

体に10個あまりの花芽をつけている。

移植してみると、意外に根っこが

しっかり張っている。しかしこれは

1年草なので、何とか種を実らせて

綿毛を飛ばさなければそのまま消えて

しまう。だから大急ぎという風に

見えた。

 

前の写真のコマツヨイグサも、去年の

場所にはもう見かけない。

「要注意外来生物」指定で、除草剤を

使えというが、それほどの悪モノ

だろうか。秋に芽生えてロゼットで

冬越し、花を咲かせて枯れる2年草で、

夜に咲くので、夜行性のスズメガなどに

よって結実するらしい。そのスズメガも

激減しているというから、ほっといても

消えてしまうんじゃないか。

 

外来種だから排斥されるのなら、反対に、在来種だから絶対に保護するのかと言えば

そうでもなし。

 

 

追記:またまた訂正。

 

コマツヨイグサは虫媒花ではあるが、自然受粉もするとのこと。

それで、うちの二階のガラス戸の中で育ったお嬢さんみたいな

コマツヨイグサの煙草状の鞘を開いてみたら、コマカイ粒が

ぎっしり入っている。夜行性昆虫が絶滅しても、安泰という

ことだろうか。でも、去年見かけた駐車場に行ってみても、

まったく見当たらなかったが。

コマツヨイグサ

このコマツヨイグサの花は直径3.5センチで夜に咲く。
草丈は低く、くねくねと這い回っている。偶然かも知れないが、
背の高いマツヨイグサ(月見草)の隣に生えていた。
で、団地の駐車場の街灯の下で仲良くお月見をしているようだった。

夜の室内で

ホトトギス(園芸種)とコムラサキシキブ(市販品)に、
防災用ランプの光を当ててみた。

このホトトギスは茂って花付きがよすぎるし、コムラサキは
濃い色の卵みたいにぎっしり成っていて、キツネとしては
あまり好きじゃない。

この辺の林で昔よく見かけたムラサキシキブは、3メートル
ぐらいにもなるので、狭い庭には向かない。実もずっと大きく
まばらで、色も薄めの紫だ。でも、枯葉の黄褐色と調和して
美しく輝く。写真が残って無いのは残念.


クサギの実

 

花も実も美しいといえば、クサギ。ピンクの手袋型の花もいいが、
秋になると真っ赤な包の中に下がっている青い実がきれいだ。
ところが、この木は生長も早くとんでもない大木になるので、
手に負えない。実は今、これの幼木を鉢植に仕立ててやろうと
無謀な実験の最中。なに、小さな鉢植の梅を庭に下ろしたら、
あっというまに堂々たる大木になった、それの逆さ。
ところが、何が気に入らないのか、1年たっても生長しない。
葉っぱ5~6まい出たきりだ。


ワレモコウ

ワレモコウの色は茶色と書いてある図鑑があるが、
それは間違いで、ご覧のとおりの深い赤紫。華道家先生
の説明には「花束の中にワレモコウを加えると、
キリリとしまって良い」とか。昨今は、ピンクのばらの
つぼみを束ねた中からワレモコウが四方に飛び出ている、
珍妙なアレンジがはやりのようで。

ワレモコウだってバラ科だ。ウドンコ病には弱いし。
「私だって紅いのよ」とは彼女自身が言ったセリフでは
あるまい。で、白の花と合わせて主役にしてみた。
なかなか良いじゃないですか。

ヒヨドリバナとカンパン

ヒヨドリバナはいつも他の秋草のダシに使われて、
自分のお見合い写真?がない。これは比較的良く
撮れたほうだが、カジュアルなカンパンの空き缶
が似合っている。

秋に咲く赤い花

と、言えばコスモス、鶏頭、マンジュシャゲ・・などいろいろあるが、
真っ赤な細いミズヒキは、緑の植物模様の布を縫い合わせる糸、
といった風情だ。これを10本ばかり束ねて見ると、焚き火の炎のように
見えた。だが、この穂が紅白入り混じって、雑草の海の上に浮いて風に
なびいている美しさを、カメラで捉えるのは難しい。
人間の目はどんなレンズよりも優れているというのは本当らしい。

リュウノウギクとサンシュユの実  11月

夏グミに似てるけど、こちらは渋味が強いそうで、
秋に実りますが、なんだか、鳥も食べないみたいですね。

種を取り除いて干し、滋養強壮剤として使われるようです。

ヨーグルトが出来る(ウイキペデイアによる)
<温めた牛乳にサンシュユの枝を入れ、保温して
一晩置くとヨーグルトが出来る>
何でも、ブルガリアヨーグルトの木の近縁種に
当たるため、同様にヨーグルトが作れるんだって。

リュウノウギクとシャラ

 

秋の秋

 

アオツヅラフジ

ぶどうのようでおいしそうです

 

が、食べてはいけません。毒草

 

です。結構美しい野草には毒の

 

あるものも多いようです。

戦時中は、すべりひゆとか

 

フダンソウとか、おひたしにして

 

食べましたが、色だけのニセ醤油

 

をかけてもちっともおいしくあり

 

ません。今はうちみたいなケチの台所でも、醤油は2種類、塩は5種類くらいは置いて

 

ます。日本ほど塩の値段が安い国はないそうで、海の有り難味と味噌醤油の

 

すばらしさを実感するこの頃です。(つまり塩魚、粕漬け魚、魚の水煮缶、煮魚などで

 

週の4分の3、あとは豚コマか鶏胸肉で埋め合わせているわけ)

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これを言うと、袋だたきに遇いそうですが、ホトトギスの托卵は


けしからん、だけど人間の託児はよろしい、むしろ国民総活躍、


生涯無休生産は奨励すべきこと、そのためにお子さんの面倒は


国家が見ます、教育はおまかせを、と政府が言ってる。


このところの株安のせいか、政権も少し弱気になって、蛇口を


少し締めて、予算を少しだけ見直して、財政を立て直す、消費税


10%は必ず実現する、とか言い出しました。


「ほんとかよ! それでも幼児から大学までの教育無償化を、憲法に


明記したいって? 小学校の冷房設備費用の確保はいいが、結局


待機児童のことはウヤムヤになっちゃったし、年金制度の再構築


なんて後回し」。

育児、教育を国家まかせで、ひたすら経済活動に励む、それで


いいんかいなあ、とキツネは思います。「生産性のない人間は


要らない」などと、どのツラさげて(自分がさもさも金を産む

 

優良人間であるかのように錯覚して、の意味。死語)ぬかすか

 

(言いやがるか)まったく。預けちゃいけないとは言いませんが、

 

「教育の主導権はあくまで親にある」ということです。

「便利と贅沢は美しい」、「オリンピックは国威発揚で楽しい」、

 

それからそれから・・「金持ち国で強い日本をめざして」

 

行きつく先は?ロクなところじゃなさそうにキツネには思える。

そろそろ地球全体で資源の無駄使いを抑えることも考えなければ


ならんのじゃないかと思います。「すべて使い切る前に、よその


天体に行って取ってくればいいさ」と、のんきなことを言ってる


ご人も多いが、地球人は必ず戦争と兵器を肌身離さずもっていく。


新天地へもどこへでも。現地が無生物地帯ならば、地球人同士で

 

さっそくドンパチはじめるだろうね。仲良く繁栄なんてことは

 

土台無理なんだからさ。

そして兵器のロボット化によって、身方の犠牲が減る、


となれば、国民の「戦争への嫌悪感」を減らし、抑止力も


無くし、「流れに乗って戦争協力」する富裕層、公務員が

 

主役となって、戦いはどちらかの国家が壊滅するまで続く。

 

70年前には生身の人間がロボット化されたが、今後は

 

大量の難民となって海で溺れるか、山上で飢えるか、他に

 

道はない。老人の妄想だって? 今現在、戦争のための戦争が

 

いつ果てるともなくドロ沼化しているのに、そこへ武器を

 

売り込んで外貨収入を増やしている大国もある。

 

一方、高価なオモチャみたいな兵器を言い値で買うような

 

金満国もあり、金もうけのための戦争はエスカレートしている。

 

ちがいますか? 老人の見当違いな思い込みであってほしいが・・

 

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 安心安全・・とは

この頃巷にハヤルもの。「安心安全」実に嫌な言葉。


人々に安全だと思い込ませ、安心させる手管、言説、


ダマシの手口だ。

例えば東電の元副社長の証言によれば、この国策会社は、


国の専門機関が出した地震予測を基に現場が提案した


「最大15.7m」の津波対策をケトバシた。「国の評価は


根拠があいまいで、信頼性がない」(これを基に設計変更


する気はない)として、津波対策をうやむやにしたとの


起訴内容に対して、「よく覚えていない」だの「我々の


役職にはそれをを決定する権限はなかった」とか


「事故は想定外」など、おなじみのせりふを返した


らしい。(19日各紙)

「万全の対策」とは「半分程度の対策」のこと、


「みなさまに安心していただける最高の設備、メンテナンス」


は、「企業トップに安心していただける投資額に見合った、


設備やメンテナンス」のこと。

だから「安全」などとは現実にはありえないということを、


投資家も、原発周辺住民も、基地周辺住民も全国民も、


肝に銘じておかなければならない。なぜなら、企業は


「半分安全、絶対安心」をモットーにしているし、政府に


至っては「地震予測長期(発生可能性)評価て、何だっけ?」と


側近の役人に聞かなくてはならない体たらく(ほめられない


ありさま)だから。

 

追記:)2019   9

 

東京電力の3役員、東京地裁にて「無罪」判決。

 

ヤッパリネー、最初に政府の方針「天災には備えなくてよい。

 

天災は天災だから」ありき。次に電力業界暗黙の了解事項

 

「法外な金と時間をかけてまで、津波対策をする必要なし。

 

政府はそこまで要求していない」。

 

原発各社の中で、ただ一社が内緒で津波対策として高めの

 

堤防を築き、おかげで原発建屋への被害を防ぐことができた。

 

彼らはそのことを誇るどころか、ひたすら世間の目から隠し通し

 

たという。

 

こういう仲間はずれ恐怖症というか、「御前会議」でものをいうと

 

打首が怖いだの、そよ風が吹いても風邪をひくひ弱さ、わけも分からず

 

ハンコを押すご高齢迷妄体質、これでも立派な大人かねー、あきれた

 

もんだ。

 

 

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三角冷戦     10月21日

1987年に、米ソ間で(レーガン・ゴルバチョフにより)締結された

 

「中距離核戦力全廃条約」が、トランプによって近く破棄される

 

かもしれないという。理由は、中国が中距離核ミサイル開発に

 

熱心で、急速に実力をつけてきたから、だそうだ。

核廃絶はますます遠のいた。レーガン、ゴルバチョフにはあっ

 

た「冷静な政治判断能力」が、現在の狂犬みたいな3つの頭には

 

まったく欠けている。選挙によってこの頭を叩き落とすことが


出来るのは、アメリカ国民(多分)くらいだろうか。米国には


少なくともヨーロッパの民主主義、反権力、戦争の無い一つの


ヨーロッパといった理想主義的な思想が受け継がれており、


それはかつての奴隷制国家や現在の「核の鎧を脱げない」


強権国家を乗り越え、真の民主主義政治を取り戻す力となるに


違いないと、キツネは思う。だが、他の2国は?そして日本は?

 

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イミジクモ   10月27日

現政権の医療保険制度への取り組みについて、


財務大臣曰く「不摂生の挙句(健康に良くない生活を


していて)病気になった奴を、我々のような健康な者


が助けてやるなんて、あほらしい」


イミジクモ(とてもうまいこと)おっしゃいましたねー。


しかも、「友人が言ったのさー、おれじゃなく」とか、


「でもうまいこと言うねー」とはイミジクモ

 

おっしゃいましたなー。このスタンス、

 

「俺は言ってねーけどよー、これって国民の常識と

 

ちゃう?」みたいな。

これに対し無反応な自民議員の存在の不気味さ。


誰か一人でも「バカな事言うな!」とは言わんのか。


「改憲は自民党の悲願」、ただし「俺は護憲とは言って


来たがな、党の方針には逆らえん。よって我輩が先頭に


立っていく」・・また、「核廃絶は国民の悲願」しかし

 

「個人的には核保有に大賛成。いずれ核保有に国民の

 

ミナサマの理解を得て、私の悲願を成就したい」と

 

いうのは首相閣下。

コクミンノミナサマ、「健康はすべて自己責任」で


「核で脅して繁栄する」経済大国、ソウイウモノハ


ワタシハ望マナイ、と思っているなら、そう言おう!

もう、あほらしくなってきた。

 

 

2020年 514日 朝日新聞

 

 

 

<検察幹部を退く年齢に達しても政府の判断で特例として

 

ポストにとどまれるようにする検察庁法改正案で,

 

立憲民主,国民民主,共産,社民4党の党首らが

 

15日,国会内で会談し,特例規定を削除する法案修正を

 

求めることで一致した.

 

同法改正案が「三権分立・独立性を損なう」との認識で一致>

 

  

オジイチャマが失敗した,例の「強行採決」だ.今回は

 

国会前のマスク着用「無言」抗議の他にも,ツイッターによる

 

多くの「シモジモ」の反対の声,弁護士連合会や検事総長経験者

 

らの共同声明など,国会議事堂の入り口までは届いたのだが,さて.

  

「あんたのお祖父様はとてもえらい方でした」の歴史認識に

 

囚われて,某政治家や某軍人のお孫さんが,本を書いたりしている.

 

岸信介氏本人は,「法的には正しいが,強行採決というやり方が

 

間違いだった」と自ら述べておられるらしいが,お孫さんの方は

 

まったく同じようなことをやって,コロナ騒ぎの真っ最中の

 

「火事場泥棒」とまで言われている.

 

 

それにしても「議会のお決めになることですから」との森法務大臣

 

の他人事のような発言は,首相からもよく聞かれるセリフだ.

 

そこで,キツネは「議会ってなんだろう,わからん」と思った次第

 

 

 

「議会学」 向大野(むこおおの)新治 著 吉田書店 ¥2600

 

 

本書は,現役の衆議院事務総長による「議会ガイドブック」であり,

 

平明な文章で現実的なデモクラシーの理解(全構成員が参加した上で

 

の自由な議論と多数決による決定というのは,現実的には不可能な

 

理想論なのである=p8)を示し,氏の考える議会の役割を,次の

 

ように述べている.

 

P32  5 議会の役割

 

「議会は,統治の主役ではなく,統治府たる政府の外にあって,

 

統治者の判断や行動が間違わないように,あるいは間違った場合に,

 

それを修正したり,その責任を追求したりするための統治の最善化を

 

職責とする政治的機関なのである」

 

 

 

P36  6 権力闘争の場としての議会

 

「議会でよく見られる権力闘争に否定的な人は少なくない.あるいは,

 

否定まではいかなくても,もっとやるべきことがあるだろう,国民生活

 

に必要な法案の審議はどうしたと,これを苦々しく思う人はかなり多い.

 

それは,議会を国家意志決定の主体で,法という形でこれを決めるもの

 

だと思いこんでいる人たちによく見られる反応である.

 

 しかし,これまでも繰り返して述べてきたように,その成り立ちから

 

して,議会は国家意志の決定機関ではなく,そうした決定を行う統治者

 

を掣肘する機関であり,その主要な職責の一つとして最善の統治者を

 

選ぶことがあるわけである.その職責は,本来的には,統治者らの

 

議会における活動といった日々の仕事への取り組み姿勢の観察,さまざま

 

な試験や面談,試練等を通じて,その人となりを見ることで果たされる

 

べきものだろう.

 

 だが,こうした仕組みは,容易に人間の別の本能のためにも使われる

 

ことになる.人は権力を目指す.一つの組織体なり国家のトップに立ちたい,

 

仲間を支配したい,自分の言うことを聞かせたい,あるいはそうしたことで尊敬

 

されたいというのは,全ての人ではないが,多くの人が持っている願望である.

 

一種本来的,本質的なものでもあるのだろう.いつの時代でも,どこの国どこの

 

 

場所においても,いわゆる「国盗り物語」的なものはあり,血を流しての領土

 

 

争いや権謀術数をめぐらしての権力闘争が本やテレビドラマの主題となっていて,

 

 

人はそこに英雄像を見る. 

 

 実は,現在では,この権力闘争が議会議員等の選挙を通じて行われている

 

 

のである.これは,かつては相手を殺したり脅したりして得られた権力を,

 

 

流血とか違法な手段に訴えることなく,だれもが平和裡に獲得できるチャンスを

 

 

提供するものである.そして,この闘争は,単に選挙のステージだけで展開

 

 

されているわけではない.さまざまな場所で繰り広げられているのだが,特に

 

 

その主要なステージが議会なのである.いかに自分が統治者として優れているか,

 

 

あるいは自分たちの仲間が統治者として最適か,その一方で,相手方たる統治者,

 

 

あるいはその候補が如何に問題があるかを明らかにし,国民に理解させようと

 

 

するのである.そしてその闘争のために,立法や国政調査が総動員されている

 

 

のが現状である」

 

 

 

 キツネ思うに:ズバリ言ってくれてるな,という印象だが,現にどこの

 

 

どなたが,という記述は一切なく,あくまで古代ギリシャからイギリス議会から

 

 

アメリカのトランプ政権に至る,議会制度の歴史をわかりやすく説明してくれる.

 

 P37

 

「無論行き過ぎがないとは言わない.どの国でも同じだろうが,攻撃する場合には,

 

どうしても不祥事追求に頼りがちだし,たとえ政策論争を挑んでも,ポピュリスト

 

的な主張に終始してしまうことが多いからである.さらに,我が国のことで言うと,

 

野党側は,国会議員選挙で敗北しても,その傷が癒えないうちに,政府与党側に

 

攻撃をかけてくるため,国民には,のべつ幕なく不祥事の話に終始していると

 

 

いった印象が強く起こることもあろう.だが,それでも筆者からすると,

 

 

こうした権力闘争は必然的なものであり,流血の権力闘争に夢中になっている人たち

 

 

が,なぜこうした平和裡のフェアな環境での権力闘争に抵抗感があるのかわからない

 

 

くらいである.

 

(中略)

 

 だが,こうした権力闘争こそが議会を動かす原動力でもある.これがあるからこそ,

 

議会にも活気が出てくる.筆者は,こうした機能とは無縁の議会は活力もなく,

 

 

存在感も発揮できていないと考えている」

 

 

 

 キツネ思うに:「我々は議会の決定に従っているまでさ」とうそぶく態度は,

 

裏を返せば,「議会は我らの手の内にあり」との自信の表明だろう.

 

つまり,筆者の言う「活気のない議会」で,与党に言わせれば「十分ていねいな説明」

 

がなされたそうだが,今回の法改正の根拠となる検察庁法の条文を示せとの野党要求

 

に対し,法務大臣「これから内容を精査する予定」???これではまともな権力闘争と

 

さえ言えず,オウム議員か九官鳥大臣か,とにかく「飼いならされた」議会,「知恵も

 

言葉もない」ついでに戦う気さえ無いボッチャン・ジョウチャン集団が,議会の名を

 

騙っているに過ぎまい.自民党よ,しっかりせい!と言いたいね.

 

 

 

 

 

 

 

2020  6  6

 

 

 

朝日新聞<緊急財政が奪う命>より

 

 デビット・スタックラー (医療経済学者)

 

 

 

ーー(感染症対策と経済対策を)「正しい方向」に進むには,

 

何が必要なのでしょうかーー

 

 

3つの原則に基づく新たな『ニューディール』政策が

 

必要です.一つめは,経済政策の中心に健康と人を置く

 

こと.もし宇宙人が我々の社会を見たら,経済が発展

 

しても,この人たちが本当に幸せな社会を作れているのか,

 

疑問に思うはずです.ニつ目は,大企業の救済だけでなく,

 

収束後に人々が復職できるようにすること.それには,

 

段階を踏んだ対策が必要で,一度の大きな財政出動だけ

 

では,失業者は増え続けます」

 

「そして三つめは,公衆衛生への投資です.SARSがあり,

 

エボラがあり,新型コロナウイルスがあった.次の危機は

 

「本当にあるのか」ではなく「いつあるのか」なのです.

 

医師や看護師の数を増やしたり,医療機器に投資したり

 

することは,無駄ではありません.

 

(中略)

 

ーー日本など財政赤字が続く国では,どこまで経済対策に

 

金を回すべきなのでしょうか.

 

 

 「今回のコロナ禍は,通常の経済や政治の枠を超えた

 

例外的な出来事です.財政赤字論争は脇に置き,短期的

 

には,企業が倒産し,人々が職を失い,モノが売れなく

 

なることでさらに倒産が増えるといった悪循環に陥らない

 

ようにしなければなりません.

 

リーマンショックの際にも,多くの財政出動をした国の方が

 

景気回復も早かったのです.各国の今の経済対策は,もっとも

 

弱い立場にいる人が,ウイルスに晒されているリスクを救う

 

には不十分です」

 

(中略)

 

ーーコロナ禍を経て,もっと保険医療分野に国が金を出す

 

べきだという考えに変わるでしょうか.

 

「うーん,政治家の学習能力を考えると・・・.トランプ

 

大統領が予防のために抗マラリア薬を飲んでいたと聴くと

 

絶望的になります.

 

でもすべての危機は,なぜこういう状況になったか,もっと

 

うまいやり方はなかったのかと考え直すチャンスでもあります」

 

「ロバート・ケネディはかつてこう語りました.GNP(国民

 

総生産)という数字には全てが含まれているようでありながら,

 

実は人生の価値を高めるものは含まれていない』と.

 

GNPには,子供が遊びながら得る喜びや,かけがえのない家族

 

は含まれていません.経済成長は目標を達成するための手段

 

であって,目的ではないのです」

 

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キツネの考えも,大体そんなところであります.大層な哲学的

 

新世紀が訪れるようなことを言う「預言者」も出てきているし,

 

一方で,「学習能力」皆無の政治家集団は早くも巨額の財政支出

 

目当ての「民間丸投げ」システムを大急ぎで立ち上げようとして

 

いるらしい.

 

 

例の財務大臣がまたまた「日本国民の民度は高い」とやら,

 

自慢のつもりか,受けねらいか,のたもうた.民度が高けりゃ,

 

あんたらのような「学習能力ゼロ」の輩を政権の座につけるわけがない.

 

「耳はあるけど」じゃあない,「耳なし,目無し,口ばかり」,

 

ついでに能無しだ.

 

昨日亡くなった横田滋さんの霊に対し,言い訳がましく

 

「懸命の努力にもかかわらず(誰の?)・・・申し訳ない気持ちで

 

いっぱいです」だって.もうあきれた.

 

 

 

庭の雑居植物   2018年12月

今年の収穫: リュウノウギク
5月に差し芽したのが5本とも根付いて花を咲かせた。
日当たりさえ十分ならば、元気に育つこともわかった。

あとは丘から採ってきたギボウシ、ホタルブクロ、
勝手に庭に生えてきたワレモコウ、側溝から拾ったアキノノゲシ、
友人から貰ったオカトラノオ、空を飛んできたヒヨドリバナや、
種から育てたけどまだ幼苗のカラスウリなど、少ない日当たり
を争って、二階の物干し場にまでよじ登ってくる。

毎日が結構忙しい。ほどほど忙しいのは、老人の健康にとって
好いことかな、と思う。
以上