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失われた野草

2017/2/25

全天候型空模様とでもいうのかな。昼頃に南風が北風に変わる、温度が急に

 

下がる、雨か雪が降るとか降らないとか・・。春も近いらしい。

 

30年前の丘の景色をスケッチしてみよう。

 

多摩丘陵の端っこ、雑木林を切り払って造成した土地。上水道はなく、

 

何十メートルもの井戸を掘る。むろん下水道が出来たのはずっと先のこと。

 

それでもまだ売られていない丘や窪地には自然の草木やタヌキ、コジュケイ、

 

メジロ、コゲラ、エナガ、ヒヨドリ、ヒバリ,モズその他の小鳥、渡り鳥が

 

見られた。

そして今は・・土止めブロックの

 

隙間に園芸種の花が日をあびて

 

居心地よさそうにしている。

 

いずれこの地で野草化するかも

 

しれない。

 

葛も日本の野草の生き残りバトル

 

の 勝者だ。あまりにはびこるので、

 

やっかいもの扱い。

 

 

 

葛の花を見たことありますか?

 

とても美しいし、香りも良い。

 

しかも強いこと、都会の街路灯

 

によじ登り、屋根まで占領する

 

勢い。

 

 

以下のスケッチは絵のうまい

 

ウサギさんの作。水彩

 

これはおなじみワレモコウ

 

左の図、えさをやりすぎて1M以上

 

になり、風情もヘチマもない。

 

翌年は新芽も勢いよくでました

 

が、全部根元からポッキリ

 

折れた状態で枯れてしまった。

 

ばかなキツネはやっと気が

 

ついて、根元を掘ってみると、白い芋虫(コガネ虫の幼虫)が20匹も・・。

 

白いカビのようなウドンコ病にも弱く、ばら科植物だけあって、風通し、

 

日当たり、殺菌、防虫と手がかかる。

 

 

 

 

オカトラノオ

 

失われた野草の第一番めに挙げ

 

たい。こんなに瑞々しく美しい

 

野草は他にはないとさえ、わたし

 

は思う。

 

下の写真のように大きな鉢いっぱい

 

に繁ってよく咲いたのは2年ほどで、

 

次の年には跡形もなく姿を消し、

 

他の雑草に場所を譲った。

 

鉢土の中で何かの栄養素が不足したのか、日当たりが不十分だったのか、

 

理由はわからないが。

 

元の環境をそっくり復元してその中に置いてやらなければ生き残れない種類も

 

ある。

 

 

 

 

ほたるぶくろ

 

場所を選ばずどこでもご機嫌に

 

咲いてくれる。丈夫でしかも美しい。

 

白、濃いピンク、薄いピンクと株毎

 

に色も違い、釣鐘の形も違う

 

ようだ。どうやら写真嫌いの草

 

みたいで、透き通るような釣鐘の

 

色をうまく写せた試しがない。

 

で、キツネの下手な絵でご勘弁を。

 

ほたるぶくろ

 

 

 

りゅうのうぎく(キツネ描)

 

 

野草の花束を作るとき、キクの

 

クッキリした純白は、他の野草の

 

やや地味な色合いを引き立てる。

 

無くてはならない花なのだが、

 

丈夫だと思い込んで放っておいたら雑草の中に消えてしまった。惜しいことを

 

したものだ。

 

 

 

 

ほたるかずら

 

雑草の中に、忘れな草をずっとハデ

 

にしたような美しい青が見え、

 

くねくねと地面を這い回っている。

 

ウサギさんはこの絵の青の発色で

 

苦労していた。実際、バラの

 

ようなビロード質の花と違い、

 

中に微小なガラス粒を含んだ

 

ような野の花の色を絵の具で

 

再現するのは難しい。

 

ところで、この草は案外丈夫で、近所の農家の日の当たる庭先に植えたら、

 

一面青い絨毯のようになった。

 

近年これの園芸種が出たが、鉢植えよりも日向の地べたで増やしたほうが、

 

本人?も喜ぶと思う。

 

          ひよどりばな

 

 

 

        しゅんらん

 

 

      おおばぎぼうし

 

 

   きんみずひき  (別名ひっつきむし)

 

 

 

   みずひき  (赤、白)

 

 

 

 

 

 

やぶらん

 

どこのお寺にもある、木の下の

 

日影に植える植物の定番。

万両の実

 

我が家の狭い庭に日があたって

 

いた頃は良かったが、やがて最悪

 

の敵、庭木が繁って日照を奪い、

 

ついにつわぶき、やぶらん、万両などの日陰植物のみになり,寺院の北向き

 

の庭みたいになってしまった。

 

植物園へ野草を見に行く、それもいいが、もっと手近にあって欲しい。

 

むかし駅の構内で黄エビネの立派な株を5つ1000円で売っていた。盗掘に

 

きまっている。でもキツネは買ってしまった。20年後の今でも鉢に植えて

 

大事にしているが、まだ3茎しか咲かない。

 

何かが気にくわないらしい。「買う奴がいるから盗掘が止まないんだぞ、

 

どうしてくれる」と叱られているみたい。

 

話が逸れたが、外来種の雑草だって悪くない。下の写真は悪評高き

 

イタカアワダチソウです。秋草には少ない黄色で、ススキのお相手には

 

良い。ただしオミナエシの代役でキキョウに添えるいうわけには

 

いかないが。一昨年の春に爆発的にハヤッタのがブタナ(フランス語で

 

Salade de Porc),造成地の斜面が全部黄色のヒョロ長タンポポもどきに

 

被われて、けっこうきれいだった。それが去年はポツポツと少し残って

 

いるだけだ。なぜ集団で一斉に引越してしまうんだろうか。

 

 

狭い日本の庭では庭木は野草

 

と共存出来にくいと書いたが、

 

日本の街路樹もその下の花壇

 

と折り合いが悪い。特にケヤキ

 

の下は何も育たない。花壇は

 

あきらめて、日陰を目的に枝を

 

広げて大きく育てたらいいと

 

思うのに、相変わらず「共存」

 

をはかって、ケヤキを刈り込ん

 

だりしている。植木屋さんの

 

ご都合にわせて、真夏にチョンチョコリンにするのでは、何のための街路樹か。

 

電線の無い側だけケヤキにして、反対側は日が当るようにして花壇にすれば?

 

下の写真は道路際の狭い花壇で後ろはケヤキ。夏の陽をいっぱいあびてケイトウ、

 

百日草、マツバボタンが咲き誇る。今ではケヤキが覆い被さって、花壇には

 

何も育たない。植木やさんと自治会と駐車場(これも多い)経営者が相談して、

 

ちと知恵をはたらかしてほしいものだ。

 

 

2020   5

 

ブログを初めて3年目の母の日

 

に.朝早く公園を一回りしたが,

 

収穫はコレッポッチで,

 

赤つめ草,ハルジオン,ノイバラ。

 

今を盛りのツツジの根本の黒土

 

にわずかばかり間借りしている

 

痩せた野花たち.開けた地面は,

 

ノビエ,エノコログサ,オヒシバなど,丈夫なイネ科植物が年々はびこって,

 

手に負えない.除草剤をまいて,枯れたら刈り取る.でも残った根っこから

 

また来年元気に出てくるので,春の花でさえも見かけなくなりつつある.

 

 

よめな

 

これはヨメナ(嫁菜?)なんだが、昔は空き地に生えていた、

 

元気で健気なお嫁さんといった風の薄紫の小さな菊はいったいどこへ

 

消えたのかと、長いこと探していた。これは石垣の隙間にひょろりと

 

生えていたのを根こそぎ採ってきた(あまりやりたくないことだが)。

 

ひどい栄養失調で、花が全開するまで、本当にヨメナかどうか、

 

自信が無かった。

 

 

 

私のほしいのは、こんな何気ない秋の草花。 それも、高原のお花畑や

 

植物園ではなく、近所の空き地に生えていて、誰でも摘みとって持って帰れる

 

ような。ここにあるのは、ミズヒキ、キンミズヒキ、アカマンマ、

 

ホウチャクソウの実(黒)